外国人受け入れってなに?移民との違いを知りたい方はこちら!

工場で働く外国人

ニュースで「移民法案」という言葉を聞いた方も多いのではないでしょうか?

出入国管理法改正案(略して改正入管法)が2018年11月、衆院で議論が不十分なまま可決されました。次の参院でも、国民の不安は解消されたとは言えないまま、法案は12月8日に成立しました。

今回ばかりは管理人も「もっと徹底的に疑問をぶつけてくれ!」と野党を応援しましたね(笑)

外国人の受け入れが必要だとしても、リスクに目をつむったまま進んで大丈夫なの!?という思いからです。

さて、そんな「今回の外国人労働者の受け入れは移民政策ではない」と安倍首相がおっしゃる実質の移民政策。

今回は、そんな外国人受け入れと移民の違いについて、簡単にわかりやすくまとめてみました!

外国人受け入れとは?どういう意味?

工事現場で働く外国人

そもそも外国人受け入れとは、どういう意味でしょうか?

ここで言う外国人は、外国人労働者のことを指します。外国人労働者の受け入れにたいして、今回の法改正で日本はとても大きな方針転換をしました。

今まで日本では、外国人の単純労働って認められていなかったんです。高度な専門的、技術的な技能を持つ「高度人材」のみ、就労資格を持つことができました。様々な職種がありますが、医師や大学教授、経営者、スポーツ指導者や通訳、システムエンジニアなどです。

そういった人材も外国人労働者ですが、今回話題になっているのは、もう少し普通の単純労働に従事する外国人労働者の受け入れのことです。

単純労働に該当する職種では、外国の人は働くことはできないようになっていたんだよ。

パパクマ

フウクマ

でも、外人さんは以前からコンビニや工場などで働いているよね?単純労働じゃないの?

工場などで働いている外国の人達は、「技能実習」という在留資格を利用していて、建前上は労働者とは違いますよ、発展途上国の方に実習で技能を教えているんですよ、というものでした。

「留学」という在留資格を持つ留学生も、アルバイトは週28時間までOKなんだよ。

パパクマ

実際は労働でしたが、一応外国人の単純労働は認められていなかったんです。

注意
そしてそれらの外国人労働者の長時間労働や低賃金(悪質な業者による)、不法滞在などが問題にもなっています。

新設される在留資格は2種類

勉強する外国人

今回の法改正で、比較的単純な労働を含む、次の在留資格が新設されます。

新たに追加される在留資格
  • 特定1号(一定の技能)
    在留の上限は5年で1年ごとに更新する。家族を連れてくることはできない。試験に合格すれば特定2号になることが可能。
  • 特定2号(熟練技能)
    家族を連れてくることや、在留の更新をすることで事実上の永住を認めるもの。

事実上の永住を認めるということは、移民政策だと思うのですが、何が違うのでしょうか(^_^;)

なぜ単純労働が認められていなかったのかというと、こんな理由からです↓
言葉や文化が違うから、というだけではない移民問題があるのですね。各国で問題になっています。

移民の問題点とは?わかりやすく簡単に!
今後は「特定の分野では、高度な専門性や技能がなくても労働者として認めますよ」という日本国の方針の変更が、今回の「外国人受け入れ」です。

農業や漁業、外食、ビル清掃、介護業界など、特に人手不足がひどい業種で働けるようになります。

これ、本当に大きな転換点なのです。だからこそしっかり議論しなくてはいけないはずなのですが・・・残念です。

続いては移民についてです。

移民とは?どういう意味?

移民には、国によってとても多くの意味がありますので、ここでは日本での移民の意味についてご紹介します。

とは言え、実は政府は移民の正式な定義は行なっていません。定義するべきだと思いますが、おおむね次のような解釈をしています。

~引用ここから~

  • 移民とは、帰国を前提としない長期労働者や、日本人配偶者を持つ永住者など
    出典:朝日新聞
  • 永住や日本の国籍取得を前提に働きに来る外国の人のこと
    出典:産経新聞
  • おまけ:入管法上の中長期在留者と特別永住者を移民とする。
    国連機関など

~引用ここまで~

今後は、実質の移民法案とも呼べる法改正が行われたので、いずれ日本政府としてきちんと定義されるのではないかと思います。

外国人受け入れと移民はどんな違いがあるの?

上記をふまえ、現在議論されている外国人受け入れと移民の違いを、次の一覧にまとめました。

注意
項目によっては絶対ではなくそういった傾向が強い、と解釈して頂ければと思います。
外国人受け入れ移民
日本に来る目的比較的単純な労働と高賃金高度な技能を活かす就職、日本人との結婚による移住など
日本が求めるもの人口不足を補う労働力高度な技術、知識など
日本永住考えていない考えている
日本国籍の取得考えていない考えている
自国に帰る考えている人それぞれ
家族連れてこない(連れてこられない)
※法改正で連れてくることが今後は一部は可能に
連れてくることもあり
外国人受け入れと移民の違いは?
  • 外国人受け入れ
    日本で高度な技能がない状態で働くことが目的の、外国籍の人のこと(決められた適切な教育は受ける必要あり)。数年間日本で働いたあと、母国に帰ることが前提。
    いわゆる「出稼ぎ労働者」のイメージですね。
  • 移民
    高度な技術や知識を持って働きに来る外国人や、日本人と結婚して日本に移住する外国人のこと。
    家族を連れてくることも多く、永住や日本国籍の取得も検討し積極的に日本文化に溶け込もうとする傾向があります。

不安の残る実質の移民受け入れ法案

今回の国会で審議され、さまざまな問題点が浮上していた「移民受け入れ法案」(出入国管理法改正案)は、外国人労働者の受け入れ拡大のため、在留資格を増やすものでした。

しかし詳細については議論が十分にされず、多くの反対が起こってしまいました。

たとえば、下記のような反対があります。

移民法案にはどのような反対がある?
  • そもそも「どんな外国人」を「どのくらい」受け入れるのか具体的ではない
  • 無作為に受け入れてしまうと、日本人の雇用が失われてしまうのではないか?
  • 日本側の準備がととのっていない

2018年12月に成立し2019年の4月から施行されますが、かなり急いでの法案成立、施行という流れが感じられます。

議論を十分に行わない姿勢には、国民としては不安と不信がつのってしまうよね。。。

パパクマ

実は「移民受け入れ国」日本?

工場で働く外国人

そもそも、日本では移民を受け入れていないというのが政府の公式見解です。

しかし国際連合による移民の定義は「1年以上外国に居住している人」となっており、それにしたがってみると、大きく異なる日本の実情が明らかになります。

日本への実質移民の数
2015年の1年間で日本へ流入した実質移民の数は40万人ほどで、これは先進国では4番目に多い数です。つまり実際のデータを見ると、日本は立派な移民受け入れ国と言えるかもしれません。
出典:西日本新聞より

フウクマ

日本の様々な産業で人手不足が深刻となり、外国人の労働力が求められているため、このような数になっているんだね。

しかし厚生労働省の外国人雇用状況調査(2016年度)によると、就労ビザを持っている外国人は全体のわずか20%弱

じゃあ大部分の残りの外国人は・・・(^_^;)

今回の「外国人受け入れ」は、このような現実に合わせる、という目的もあるのでしょうね。

さいごに

外国人受け入れと移民の違いについてでした。

日本は労働力不足や少子高齢化のため、外国人受け入れを積極的に検討しなければいけないのでしょう。そこは管理人も賛成です。

ただ、下記のような問題点について深い議論をしないまま法案が成立してしまったことを考えると、残念でなりません。ヨーロッパではほぼ失敗した移民政策が、日本ではなぜか成功する、とはとても思えないのです。

移民の問題点とは?わかりやすく簡単に!

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