こんにちは、日本と愉快な仲間たち(JAW)の管理人ヤナイです。
先日、中学生になる次女に「税金って何かわかる?」と聞いてみました。
次女は「・・・払わないとダメなお金。」という返事。もう一声!あってはいますが、ちょっとよくわからないようです。
長女は小さい頃から社会科の知識を教えてきたので、ある程度物知りになってくれたので、次女にも教えていこうと思います。
中学生は数学や英語などの科目がぐっと難しくなりますので、せめて社会科はあまり勉強しなくても良いようにしてあげたくて、税金について噛み砕いて教えることにしました。
そうやって教えたところ「わかった!」と言ってくれたので教えてよかったです^^
そこで今回は、税金の使いみちや税金の集め方、税はいつからあるのか?税をなぜ払うのか?という視点でご紹介したいと思います。
それでは、税金とは何か?中学生にも簡単にわかりやすく、いってみましょう!
税金とは?中学生にも簡単にわかりやすく!
フウクマ
その公的サービスって何?
公的サービスは国や市区町村などが提供しているサービスのことて、とてもたくさんあるよ。
パパクマ
公的サービスは皆さんが日々暮らしている中で生活になくてはならないもの、様々な便利なこと、いざという時の助けなどを思い浮かべると、よくわかりますよ(*^_^*)
それでは、税の使いみちという視点で公的サービスについて見ていきましょう。
フウクマ
どんな公的サービスがあるのかな?
税金の使いみち1:学校の建設費や先生のお給料
税の使いみちはとてもたくさんありますが、税金の使いみちの1つめは学校です。
子どもは学校へ行きますよね。勉強はイヤだ~!と言っても基本的に行く必要があります(笑)
この時の小学校や中学校の校舎や体育館は税金で建てられています。公立の小中学校では教科書も税金で購入されていますし、学校で働いている先生方※や事務員さんや用務員さんのお給料も全て税金で支払われています。
フウクマ
教科書も税で支払われているのね!
そうです。義務教育である公立の小中学校の教科書代は税金でまかなわれています。
義務教育は日本国憲法第26条で「無償」とされているからだよ。
パパクマ
税金の使いみち2:救急車と消防隊員のお給料
税の使いみち2つめは、急病やケガの時の救急車です。
急に激しい腹痛がおこった場合、119に電話すると救急車が数分で駆けつけてくれて病院へ搬送(運ぶこと)してくれます。夜中でもお正月でも、家でも外出中でも、どこにいても短い時間で来てくれますよね。素晴らしいシステムですね。
私も中学生の時に盲腸(虫垂炎)になった時や、柔道で鎖骨を折った時にはお世話になりました(^_^;)
この時の救急隊員(消防隊員)の方のお給料や救急車を購入する費用も、税金から支払われています。
アメリカでは救急車は有料となっていて、約4万円~プラス医療費が必要で、いざという時に救急車を呼ぶことを控えてしまう人も多いのが問題となっています。
フウクマ
え!救急車が有料なの!?日本は無料なのに…
無料という印象だけど少し違うんだ。税で先払いという形だね。
パパクマ
日本でもどんどん増えていく社会保障費をどうするか、長い間議論されていますし、その結果消費税もアップしています。
消費税増税の理由は?増税の理由をわかりやすく!税金の使いみち3:面白い本がたくさんな図書館
税金の使い道の3つめは図書館です。
面白い本や新しい本はたくさんありますよね。私も本好きなんですが、欲しい本を全部買っていたら、あっという間にお小遣いがなくなります。
そこで、市立図書館で探してみるとだいたいの本がそろっています。漫画は基本的にないですけどね(笑)
図書館になくても市内の図書館から運んでくれますし、買って用意してくれることもあります。貸出中でもネットで予約をしておけば空きが出ればメールでお知らせしてくれます。簡単でコストパフォーマンスは最強です(^o^)
この時の図書館の本を買うお金や、働いている司書の方のお給料、図書館を建設する費用も税金で支払われています。
フウクマ
私も小さい時からよくお母さんと図書館で絵本を借りに行ったわ!
私も本好きだから、老後は毎日行きそうだよ。
パパクマ
税金の使いみち4:道路や信号機に陸橋など
税金の使い道の4つめは、みなさんも毎日通る道路です。
道路だけでなく橋や信号も税金で作られています。
私は以前、インドネシアに旅行しました。その時、道路がボロボロだったり土のままだったりしているのを見ました。車で走るとガタガタするし(ガッタンガッタン!!という感じ)、土ぼこりも舞い上がっていましたし、雨が降ると泥水でぐちゃぐちゃでした。この点、日本の道路はいつも整備されていて、とても綺麗だと感心しました。
信号機も非常にたくさんありますが、1機あたりの値段は500~600万円で、全国に約21万機設置されています。
フウクマ
道路も税できちんと整備されているのね!
日本全国の信号機が利用している莫大な電力の費用も税でまかなわれているよ。
パパクマ
税金の使いみち5:警察官やパトカー
税の使いみちの5つめは頼れるおまわりさんである警察官です。
私達の生活を守ってくれているおまわりさんも公務員です。家に泥棒が入った時や街に不審者が現れた時、110に電話で通報すればおまわりさんさんがすぐに駆けつけてくれます。
高速道路で猛スピードを出すおバカさんにも警察が目を光らせていますが、この警察官のお給料やパトカーの購入費用も税金です。
フウクマ
私たちが安心して暮らすための費用も税で払われているのね。
税金の使いみち6:災害救助や有事の際の自衛隊
税金の使い道の6つめは自衛隊です。
おまわりさんは私達の身近な生活を守ってくれていますが、外国やテロリストからの驚異に対する国防力(自衛力)としての自衛隊があり、自衛隊員さんも公務員です。
また、自衛隊の使う軍艦や戦闘機なども税金でまかなわれています。
最近は大きな地震や豪雨で災害にあう地域が増えてきていますが、そういった時の救助活動は消防隊員だけでは手が足りず、自衛隊の方が派遣され救助活動も行ってくれてますね。
以上で税金の使いみちを6つ、わかりやすい例でご紹介しました。
フウクマ
税で運営されている施設やサービスはたくさんあるのね!
このように、普通の会社ではできない大規模な公的サービスを、国や市町村が行っています。しかし国や市町村は基本的にはお金を稼いでいません※。
そのため、国や市町村は国民※から集めた税金で上記のような「公的サービス」を運営しています。
私達は、普段の生活からいざという時まで、常に公的サービスを利用しています。税金はその利用料・代金というわけですね。
税金の徴収方法とは?税の集め方は?
公的サービスを実施するための費用として、税金が必要ということがわかりました。
それでは国はどのように税金を徴収(集める)しているのでしょうか?
- 所得税
個人が稼いだお金に対してかかる税金。サラリーマンは給与から天引きされ、自営業者は確定申告で税額が決まり、直接支払う。 - 法人税
会社(法人)が稼いだ利益に対してかかる税金。決算で税額が決まり、直接支払う。 - 消費税
商品やサービスの購入時にかかる税金。お店やサービスを提供する会社が消費者から集め、代わりに納税する。 - 相続税
相続したお金や財産に対してかかる税金。直接支払う。 - たばこ税
たばこ専用の個別消費税で、国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税の4つの税金が課せられていて、商品代金の約6割が税金。日本で一番税負担率の高い商品のひとつ。
銀行振り込みやコンビニ払い、ネットからクレジットカード支払いなどの納税方法があります。
お金ではなく財産そのままで支払う仕組み。土地を相続した場合など現金化するのが難しい場合に土地で支払うことが認められる。
フウクマ
税金ってたくさんあって、集め方も違うのね。
集めるのも国だけじゃなくて市区町村が集める税もあるよ。
パパクマ
所得税や法人税は個人や法人が直接納めるので直接税、消費税はお店や企業が間接的に納めるので間接税と言います。
また、上記の税は国が集める国税ですが、市区町村が集める住民税などの地方税もあります。詳しくは下記にまとめました。
税金の種類は?数はいくつあるの?一覧で!日本では税はいつからあるの?
それでは、日本では税金はいつ頃からあるのでしょうか?
一番古い記録では3世紀頃の弥生時代に、女王卑弥呼(ひみこ)の国:邪馬台国(やまたいこく)で税があったとされていて、絹の織物や種もみが税として納められていました。最初の税金ですね^^
フウクマ
卑弥呼は古代日本の女王様ね。
卑弥呼の時代は日本にはまだ文字がなくて、中国大陸の魏(ぎ)という国の文献から邪馬台国や卑弥呼のことがわかったんだよ。
パパクマ
卑弥呼についてはこちらにまとめました。
卑弥呼とは?邪馬台国とは?小学生にもわかりやすく!西暦701年の飛鳥(あすか)時代には、租・庸・調(そ・よう・ちょう)という税がありました。
- 租(そ)は収穫された稲の3%が税として納められました。
- 庸(よう)は2種類ありました。都(みやこ)での労働(10日間)で支払う税と、布を納める税です。働くか、布で納めるかどちらかです。
- 調(ちょう)は各地域の特産物を納める税です。
フウクマ
昔は物で納めたり、働くことで納める時代があったのね。
江戸時代の税は皆さんご存知の、昔話でも有名な言葉「年貢(ねんぐ)」です。
その年貢は大変重く、収穫されたお米の2/3で、手元には1/3しか残らなかったようです。イメージではやせた貧しい農民が、「今年も何とか年貢を払えたのう・・・」などと言っているシーンが思い浮かびます。
ですが最近の研究では、江戸時代の農村は収穫されたお米をごまかすことができ、実はけっこう豊かだった、という学説もあるようですね。
よく太った農民が「ガッハッハ、年貢が少なくて楽じゃのう!」なんて言っていたのでしょうか^^
実際のところはわかりませんが、歴史のイメージがガラッと変わり面白いものですね!
税とは?なぜ払うのか?
税とは、国民が国に支払う公的サービスの代金であることはわかりました。
それは当たり前のことですが、払う人と払わない人がいると不公平だからです。公的サービスはどんな人でも受けていますので、それに対して税金を払うのは国民の三大義務の一つ(納税の義務)とされています。
もしも税金を払わなかったら、税務署から「払いなさい!」と叱られます。何度も何度も払わない場合、強制的に財産を差し押さえられます。
税金は稼いだお金の一部を国におさめますが、この稼いだ金額をわざと少なく国に伝えて税金を少なくおさめると、脱税(だつぜい)と言って逮捕されてしまうこともあります。
フウクマ
逮捕されてしまうほどの罪なのね。
しかし、税を払う必要があるとは言え、国民から強制的にお金をとるわけですので、きちんとルールが憲法や法律で定められています。きちっと※課税(かぜい)について法律で決めることで、不公平が起こらないようにもなっています。
税を徴収するの根拠となる憲法と法律を見てみよう。
パパクマ
まずは、日本国憲法第30条です。税を納めるのは国民の義務ですよ、と書かれています。
~引用ここから~
第三十条
国民は法律の定めるところにより納税の義務を負う。
~引用ここまで~
続いて憲法第84条です。税金を課税するには、法律で決める必要がありますよ、と書かれています。
~引用ここから~
第八十四条
あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
~引用ここまで~
続いては各種の税法を見てみましょう。
上記の憲法84条で書かれているように、様々な税金が、誰がどのようにしていくら支払うのか?などが法律で決められています。
- 所得税法
個人が儲けた収入に対する課税について決められた法律 - 法人税法
法人(会社)が儲けた収入に対する課税について決められた法律 - 消費税法
物を購入する(消費する)時に課税される消費税について決められた法律 - 相続税法
亡くなった人からの遺産を相続する時の課税(相続税)について決められた法律
また、人からお金などをもらった時に課税される贈与税についても決められている - たばこ税法
たばこに対する課税について決められた法律 - 地方税法
車を持っていると課税される自動車税や、家や土地を購入した時に課税される不動産取得税、温泉に入る時に課税される入湯税など、たくさんの地方税に関する税金について決められている - 酒税法
お酒に対しての課税について決められている法律
フウクマ
たくさんの税法があるのね。
それだけたくさんのお金が必要ということだね。
パパクマ
おまけ 独立戦争に繋がった税金
税にまつわる有名なお話を1つご紹介します。
現代では経済力と軍事力で1位のアメリカが、まだイギリスの植民地※だった頃のお話です。
本国イギリスは当時フランスとの戦争で財政難でもあったため、植民地アメリカの人々(移り住んだ元イギリス人)に課税しましたが、課税内容をイギリス本国で決め、「次からこの税金を払いなさい!」という通知のみアメリカに伝えていました。
アメリカの人々も勝手に税金を増やされたら困りますので、「私達の代表をイギリス議会に入れてください。税の内容を一緒に議論したいです。」とお願いしましたがイギリスには聞いてもらえませんでした。
1764年の砂糖法、1765年の印紙法という税法が決まり、アメリカ人の不満も高まっていった頃、「代表なくして課税なし」と言う言葉が生まれ、反対運動が始まりました。
そして、その後の生活必需品であった紅茶に対する茶法によるイギリスのずるい独占販売がきっかけで、アメリカ人がブチ切れ、1773年に有名な「ボストン茶会事件」が起こります。
ボストン港に泊まっているイギリスの東インド会社の船を襲い、紅茶の箱を次々に海へ投げ捨てました。この時、「ボストンの港をティーポットにしてやる!!」と叫んでいたそうです。
大きな箱を342箱も投げ捨てたそうなので、実際に海の色も茶色になったかもしれませんね(笑)
その後はイギリスと対立がどんどん深まり、1776年アメリカの独立宣言へとつながります。
なんと、アメリカでは税金に対する反発運動から、独立戦争へとつながっていったのです。
お金は生きる上でとても大切なものだから、時代の大きな流れを作り出すこともあるんだね。
パパクマ
税金とは、納得できるものでないと戦争へとつながるものでもあるのですね。やはり大切なお金のことですから、しっかり議論して国民の支持を得てから決められるものなのでしょう。
さいごに
税金とは?簡単にわかりやすく!でした。
今回は、中学生や小学生の子どもさんにも読みやすいように意識して書いてみました。
以前にまとめた下記の税金の記事が、中学生の生徒さん達から「作文で役に立ったよ!」と嬉しいコメントをかなりたくさん頂けたので、その続編になります(*^_^*)
税金の使い道は?身近なくらしの中で何に使われている?あと、個人的にアメリカの独立戦争の章を書いている時が楽しかったです。歴史、好きだな~と思いました!
すごく勉強になりましたm(__)mありがとうございます
そう言ってもらえると、嬉しいです^^
とてもわかりやすかったです!
税についてあまりわかっていなかったので知れていい勉強になりました。ありがとうございます
こちらこそ参考にして頂き、ありがとうございます!
めっちゃわかりやすい作文に役立ちましたありがとうございます
良かったです!また読みに来てくださいね~