政治に関する番組や新聞などを見ると、「保守(ほしゅ)政党」とか、「保守派」という言葉が使われることがありますよね。
右か左か?というと右ですが、政策面を見ていると、一概にそうとは言えない場面も多くあります。
今回は、「保守とは」をキーワードに、政治での使われ方をわかりやすくご紹介したいと思います。
保守とは?そもそもどういう意味?
まず保守とは、今までの伝統や文化や考え方、社会を維持していこう!という考え方です。
その対義語とされているのが「革新」です。
ただ、保守という言葉の定義として「何に対して保守していくのか」によって、この言葉のもつ意味というのは変わってきます。
最近ではこの保守の意味が、政治の場面では多様化している為、保守主義というものが日本国内はもとより、各国により違ってくるので、なかなか一まとめに出来ないのが現状です。
保守とは?政治での使われ方
政治面での保守派の考えとは、守るべき伝統や文化は守り、社会に本当に必要と認めた場合は熟考の上でじっくり変えていくという方針です。
また、革新派に関しては、良い考えがあれば例え急でも、古い昔からのやり方は捨てて、一からやり直しましょう!という考え方です。
日本での保守派政党で代表的なものは、自由民主党(自民党)です。
そのほかにも日本維新の会や、日本のこころを大切にする党なども保守派政党ですが、現在は自民党が保守派政党として最大規模ですね。
逆に左派、革新派政党とされているのが日本共産党や社民党です。
民進党は保守とも革新ともどちら付かずという状態でしたが、最近の報道各社の見解では、右派の自民党に対して、わかりやすく左派の革新派政党として取り扱われることが多いです。
ニュースや新聞などで、保守や革新という言葉が出るのは、選挙戦や国会論争における対立軸として、とてもわかりやすい表現だから、という意味もあります。
保守と社会主義の面白い観方
また、面白いのが、例えば現在の国の体制が、社会主義や共産主義(左派)だったとします。そして、それが長い間続いたとして、それを維持しようとする勢力を何と呼ぶのでしょうか?
伝統的な考え方や社会が、社会主義や共産主義の場合です。
それでも、社会主義的な考えを維持しようとする勢力を、保守とは一般的に呼びません。そのため、政治の場合の保守は本来の保守とは違う意味合いがあります。
ただ、定義をするなら次のようになります。
- 保守とは?
自由よりも秩序を重んじ、多少は不便でも伝統や調和を守る。資本主義寄り。日本では国益を重視する考え方を保守と呼ぶことが多く、右派とされている。 - 革新とは?
秩序よりも自由を重んじ、伝統よりも他からのより良い考えを取り入れる。社会主義寄り。日本では、日本の国益というより他国の益になるような考え方を呼ぶことが多く、左派とされている。
しかし、最近は上記のような保守や革新の定義に収まらないことが増えてきました。次で、それをご紹介します。
経済と憲法から日本の保守・革新を見てみると?
現在、日本では保守派とされている自民党が日本の政権を握っています。
それでは保守派自民党政権が勧めている経済政策や憲法改正は果たして保守的な思想に沿った政策になっているのでしょうか?
「経済」「憲法」というキーワードを基に保守政党、革新政党の考え方などを見てみようと思います。
経済政策アベノミクスは保守的?革新的?
まずは経済政策です。アベノミクスという言葉が非常に話題になりましたが、現在安倍政権が進める経済政策は、大幅な金融緩和や公共事業への投資などですよね。
民進党政権時代に比べて大幅な円安へ移行し、経済の安定を計った政策ですが、どちらかというと円安は円の価値を下げる目的のものなので、保守的な考えとはそぐわないといえます。
また、TPP参加に関しても、保守派である自民党は参加に賛成であるのに対し、革新派の民進党や共産党などは反対の意向を示しています。
そもそもTPPとは簡単に言ってしまうと、日本やアメリカなどを中心とした環太平洋地域における、関税を撤廃しましょうという政策です。
関税を撤廃することにより、輸出入におけるコストを減らし、自由に貿易を行いましょうという考えのもと成り立ったわけです。
しかし、保守的な考えからすると、関税の撤廃に関しては外国の製品や食料品などが日本国内に大量に流通することになる為、通常であれば保守的な考えからすると真逆であるといえますし、逆に反対の姿勢をとっている民進党や共産党のほうが保守的だといえます。
複雑ですね(^^;
改憲は保守的?革新的?
そして憲法について。改憲の話題が頻繁にニュースになっていますよね。
終戦後に制定された日本国憲法ですが、およそ70年の間一度も憲法の改正が行われることがありませんでした。
しかしここ最近(現在2016年10月)になって自民党が国会の3分の2以上の議席を獲得したことにより、改憲に関する話が頻繁に出てくるようになりました。安倍首相も、「改憲を在任中に」と表明されました。
安倍政権の考え方では「改憲を行うべき」であるということですね。
でもそれって保守か革新かで考えると「改憲派=革新派」「護憲派=保守派」ではないの?とも思えます。
70年続いた憲法を修正することは、保守的な考え方じゃないような…?
ですが、日本の歴史を振り返ってみると、そもそも日本国憲法は太平洋戦争終戦後に、アメリカのGHQの草案を基に革新派の意見を取り入れた形で作られた憲法です。
このことから、より日本の伝統に合う憲法を作ろう、という考え方で見てみると、憲法の改革を行おうとする考え方が保守的であるともいえます。
対して、革新派側の意見としては、例えば戦争禁止をうたう9条の考え方は、非常に革新的な考えに基づいたものなので、改憲を行う必要がない!という意見なわけですね。
さいごに
政治における保守とは?でした!
自民党の中にも革新的な意見を持っている人もいれば、民進党はもともと自民党から分裂して出来た政党なので中には保守的な意見を持っている議員さんもいます。
日本での保守派、革新派の使われ方は非常に難しくて、すべてにおいて保守的、革新的とは言えません。
今後、保守という言葉が出てきたときには「何に対して保守的」であるのかを考えるのも面白いでしょうね(*^^*)
日本の場合残念なのは保守もリベラルもどちらも日本のため日本人のために政治をしていないこと。
確かに変に感じる政治決定があります。
ただ、そういう見方もあるのでしょうけど、日本は世界でもまあまあ住みやすい国ではあります。
世界第三位の経済大国に見合うか?というと微妙ですが・・・(笑)