以前はニュースで関税と言えばTPPでしたが、今は前アメリカ大統領のトランプさんが始めた米中貿易戦争ですね。
「関税を25%にする!」「それならこちら(中国)もだ!」と、米中両者泥沼の争いでしたが、最近は新型コロナによるゴタゴタでそれどころではなくなりました。
そんな貿易について、娘が「お父さん、関税って何~?」と質問してきました。
そして、「関税って、外国のモノが高くなるの?」
おっ!いいセンいってる!
私がちょこちょこと時事問題や社会のことを話して聞かせているので、興味を持ってくれているようです^^
そこで今回は、関税とは何?簡単に図解でわかりやすくご紹介しようと思います。
例え話も交えていきますね。
関税とは?わかりやすく簡単に言うと?
関税とは輸入品に課せられる税金です。例えば、外国で生産された商品が日本に輸入される(入ってくる)時に税金がかかります。
その役目は、安い外国製品から、高い国内製品を守るための仕組みです。
フウクマ
税金で国内製品を守るってどういうこと?
この関税という名前の税金で国内製品を守る仕組みを、例え話で見てみよう。
パパクマ
関税をすき焼きのたとえ話で!
突然ですが、すき焼きはお好きですか?
私は大好きです( ´∀`)
フウクマ
私も大好き!
あの甘辛い味付けの柔らかいお肉を、卵にからめて食べる・・・霜降りだとさらに最高・・・
は!脱線しかけましたが、このすき焼きには牛肉が入りますよね。
(豚肉派や鶏肉派の方も、今回は牛肉でお願いします笑)
この牛肉ですが、国産の和牛とアメリカ産やオーストラリア産の輸入された外国産牛肉と、どちらが安いでしょう?
ほとんどの場合、安いのは外国産牛肉ですよね。
そして、お肉を買う時に主婦の皆さんは迷うわけです。
- 美味しくて高い国産和牛か?(1食分2,000円)
- まあまあで安い輸入品の外国産牛肉か?(1食分1,385円)
※金額はわかりやすい額にしています。
差は615円。
これ、迷いますよね~(^_^;
我が家は、買う時にお財布に余裕があれば国産和牛ですし、そうでなければ輸入された外国産牛肉を購入します。
皆様、似たような感じではないでしょうか?
なぜなら、関税分が牛肉の価格に上乗せされているからです。
フウクマ
せっかくの安いお肉なのに、どうして関税を上乗せするの?
そうだね。どうしてかというお話の前に、次でもしも関税がなかったらこうなる、ということを見てみよう。
パパクマ
関税がない場合は、安い外国産がよく売れるようになる
関税がない場合、本来の外国産牛肉の値段は次のような感じになります。
- 美味しくて高い国産和牛(1食分2,000円)
- 関税ありの輸入牛肉(1食分1,385円)
- 関税なしの輸入牛肉(1食分1,000円)
輸入品の外国産牛肉には、関税分が385円上乗せされていたので、関税なしだと1,000円になります。
これで、和牛との差額は1,000円です。2倍ですね。
フウクマ
あら、けっこうな差額なのね。
そのため買う側としては、次のような人が増えます。
和牛2,000円に対して、外国産牛肉は半額の1,000円か~
ヨシ、今日は外国産にしとこう♪
フウクマ
国産和牛が外国産牛肉に負けちゃったわね。。
そうなんだ。国産は価格で負けてしまって、安い外国産が良く売れ、高い和牛は売れにくくなってしまうんだよ。
パパクマ
これが、買う方(消費者)からすると、外国産が安く買えてラッキー♪ですむのですが、国内の和牛生産農家さんは大打撃です。
なぜなら高い和牛が売れにくくなってしまうからです。美味しいのである程度は売れますが、安い外国産牛肉との価格競争にさらされます。
「もう、やっていけないよ(≧_≦)」
といって、廃業する農家さんも出てくるでしょう。
そうすると農家さんは失業しますし、廃業まではいかなくても儲けが減って生活が苦しくなります。また、日本の和牛という素晴らしい商品の担い手も減ってしまいます。
関税の意味は?国内産業を守るため!
そのため、和牛農家さん(=国内産業)を守るため、国は輸入品に関税をかけます。
そして、実際に輸入品がスーパーに並ぶ時には関税分が上乗せして値上げされて、国内産との価格差を小さくしています。
図解ですと、こうなります。
フウクマ
安い輸入品の外国産牛肉ばかりが売れないように、しているのね
ちなみに、なぜ国内産業を守るのかというと・・・
- 外国産牛肉が売れ、和牛が売れにくくなる
- 和牛農家の経営が苦しくなり廃業するところが出てくる
- 廃業すれば失業者が増える
(失業保険の支払増=国家の支出増) - 廃業までいかなくても儲けが少なくなる
(所得税や法人税などの税収は減る=国家の収入減)
関税は、国内産業を守る=国の経済を守る仕組みでもあるんですね。
関税は誰が払うの?
コメント欄で、次のご質問をいただきました!確かに気になりますね。
上乗せされた関税は誰が払うの?
この関税の差額385円を払うのは・・・
関税は輸入する国の企業が払う、です。
外国産牛肉は関税の分、高い値段で販売されるわけですね。
ただ、関税は先日ご紹介した、グローバル化の自由貿易とは逆の考え方になります。
グローバル化とは?簡単にわかりやすくご紹介♪関税は、グローバル化という流れからすると時代に逆行している制度とも言えますね。
最近ではアメリカが複数の中国からの輸入品への関税アップを行い、報復に中国も米国製品への関税アップを行いました。
一部合意しつつも長引く貿易戦争の様相で、成り行きを世界中が注目しているよ。
パパクマ
さいごに
関税についてのご紹介でした!
消費者としては、関税がなくなると輸入品は安くなって良いのですが、国内産業が衰退してしまうと経済が疲弊してしまい、全然良くないことがわかりました。
そして、安い外国産の商品をもっと販売したい外国は「関税を下げようよ!もしくは無くそうよ!」と要求しています。でも、和牛農家さんや国内産業を守りたい政府は、この要求をすぐに受け入れることはできません。
今回の関税は保護貿易政策で行う1つの方法です。良かったら保護貿易についてもご覧ください。あわせて読むと理解度アップです^^
保護貿易とは?簡単にわかりやすく!メリットとデメリットもご紹介♪読んでいただき、ありがとうございました。
皆さん関税について関心を持っていると思うのですが、私が疑問なのはその税率ではなく関税額が気になるところです。上記例によると元々¥1000の外国牛肉に関税額¥385を上乗せして価格調整をして和牛の市場価格を守っているとありますが、問題なのはその¥385の行方なんですが、一体どこへ行くのでしょう?
外国牛肉の販売元、輸出国?それとも日本の国税収入??
外国牛肉の販売元、輸出国へ行くのでしたら気になりませんが、日本の国税収入となっているのならTPPにより関税撤廃となった時、今まで国の税収となっていたものが¥0になると言う事ではないのでしょうか?
ただでさえ消費税を引上げするとか騒いでいる日本にとって貴重な財源が無くなると言う事にはならないのでしょうか?
是非、教えていただきたい。
takeyaさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
関税は、各国の収入になります。
> 外国牛肉の販売元、輸出国へ行くのでしたら気になりませんが
残念ながら、それはありません。
> 日本の国税収入となっているのならTPPにより関税撤廃となった時、今まで国の税収となっていたものが¥0になると言う事ではないのでしょうか?
ご指摘の通りだと思います。
> ただでさえ消費税を引上げするとか騒いでいる日本にとって貴重な財源が無くなると言う事にはならないのでしょうか?
つまり政府は、「貴重な財源を失うこと&国内産業の保護」よりも、
外国(米国)との関係を重視した、と言えるのではないでしょうか?
ここは、私が個人的に感じている部分ですが(^^;
建前上は、自由貿易による経済的メリットが、
「貴重な財源を失うこと&国内産業の保護よりも大きいから」でしょうね。
関税について理解できました。ありがとうございます。では、日本の関税が下がるとは、つまりどういう意味でしょうか?日本が輸入した外国製品にかかる関税額が安くなるということですか?
ゆい様、こんにちは。
コメントありがとうございます^^
> 日本の関税が下がるとは、つまりどういう意味でしょうか?日本が輸入した外国製品にかかる関税額が安くなるということですか?
そうなります。外国企業は、日本にモノを売りやすくなります。
例えば私達国民からすると、国産牛肉の値段は変わらず、オージービーフは安く買えるようになります。
とてもわかりやすかったです^^
受験生なので頑張ります。
ゆーさま、こんにちは。
有難いコメントをありがとうございます!
受験頑張ってくださいね^^
すごく勉強になりました。
ありがとうございます♪
ブックマークして購読させてもらいます。
丸心さま、こんにちは。
こちらこそお読みいただき、ブックマークまでありがとうございます^^
関税について本当にありがとうございました
ものすごく勉強になりました
嬉しいコメントをありがとうございます。
関税について本当にありがとうございました
ものすごく勉強になりました 法人税について教えてください
法人税もいつか書きますね!
とても分かりやすかったです!
ありがとうございました!
ドラエモンさん、こんにちは。
良かったです!ありがとうございます。
わかりすい!
ありがとうございます!
自分も税金分¥385がドコに行くのか気になってたので説明どうもです
理解できたと思ったが次に別の疑問が沸いてきたので…
その¥385は誰が払うのか?
輸出国企業側が日本に払うのか?それとも日本の輸入企業側が払うのか?
こんにちは。ご質問ありがとうございます。
この関税は輸入する国の企業が払います。外国産牛肉を関税の分、高い値段で仕入れることになります。
記事にも追記しました!
追記説明ありがとうございます。
関税up分は日本企業が、最終的にユーザー負担になるのですね…
そうなんです。そうすると、輸入品は高くなりますので、わざわざ高い外国産より国産がいいね、となり、国内産業の保護につながるという仕組みです^^
とてもわかりやすく、自分でもよく理解できました。(まとめるのが、楽になりました。)ありがとうございます。
サファイアさん、こんにちは。
良かったです!
とってもわかりやすくて助かりました!
おかげで関税について理解できました
良かったです。
コメントありがとうございます!
わかりやすい解説ありがとうございます。「関税は”輸入する人が支払う”」について、極端な表現かもしれませんが以下の考え方であっているでしょうか?
・もし日本にいる輸入者(企業)が関税を払わないとなれば、それは本来守らなければならない国内産業の利益を妨げているという構図になっているため、それを妨げている輸入業者が支払うのが当然である。例えば、アメリカ人(Mark)の経営する自動車輸入会社があるとします。彼らは、母国アメリカの自動車メーカーであるFordの車を日本でも販売したい。けどここは日本。日本のメーカーの利益を優先しなければならない(という日本の考え)となると、Markは仕方なくFordの車に関税(=日本でもアメリカの車を販売させてね料)を支払わなければならない。
敢えて極端な表現を使っています。
きりんさん、こんにちは。
> わかりやすい解説ありがとうございます。「関税は”輸入する人が支払う”」について、極端な表現かもしれませんが以下の考え方であっているでしょうか?
そうですね。あっていると思います。
日本で商売するなら、日本のルール(世界共通のルールでもある)に従ってください、ということになります。