村山談話の問題点とは?わかりやすく解説!

2015年は、戦後70年目となる節目の年ですね。

終戦記念日の8月15日には、安倍首相が新たな談話を発表するため、
国内外からも、注目されています。

安倍首相は、
「今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなく、
安倍政権としてどう考えているのかとの観点で出したい」
とおっしゃっています。

果たして、これまでの歴代の首相が引き継いできた
内容を、今回も引き継ぐ形となるのでしょうか?

そもそも、引き継いできた談話の始まりとなっているのは、
村山富一元首相が発表した、村山談話です。

しかし、この村山談話には、いくつかの問題点が、
指摘されています。

そこで今回は、その問題点とはどういうものなのか、
こちらをわかりやすく、ご紹介したいと思います!

そもそも「村山談話」って何?

村山談話の問題点

村山談話とは、1995年に、戦後50周年記念式典において、
第81代内閣総理大臣・村山富一が、閣議決定に従って発表した談話です。

談話の内容は、前回詳しくご紹介しました。

村山談話とは?簡単に10個にまとめてわかりやすく!

前回の記事から引用しますと、次のような内容になります。

~引用ここから~

村山談話の簡単な概要

戦後の復興を頑張った日本国民は、本当にすごいです。
尊敬します。

また、米国や諸外国の皆さん、支援してくださり、
ありがとうございます。

今は周りの国々と仲良くなれて、とても嬉しいです。

でも昔は、植民地支配をしたり、戦争を起こして、
日本国民やアジア諸国の人々を苦しめました。

猛反省しています。本当に申し訳ありません。

今後は、核の廃絶と軍縮※を訴えながら、
日本は平和の使者として頑張ります!

※軍の縮小のこと
~引用ここまで~

このように、村山談話の内容は、戦中・戦後の国外との関わりについて
包括的に触れ、謝罪と感謝を述べるものでした。

しかし、この談話が20年経った今日でも議論を巻き起こし、
問題視されているのには、いくつかの理由があります。

当記事では、大きく2つご紹介します。

  • 内容に曖昧な点と根拠が乏しい
  • 談話の元となった決議に関わる問題点

それぞれ見ていきましょう!

内容に曖昧な点と根拠が乏しい

不安

1つ目の問題は、談話にて触れられている内容が
曖昧であり、その根拠に乏しいという点です。

村山談話の本文中から、その点をご紹介します。

~引用ここから~

わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り

(中略)

アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました

~引用ここまで~

この部分から、「国策を誤った」とは具体的に、
どの政権を指し、どの政策を指すのでしょうか?

また、「アジア諸国の人々に対して」とは、
どこの国を指すのでしょうか?

村山談話が閣議決定された直後、記者から指摘された際、
村山首相は明言を避けました。

日本が国際社会に発表する談話として、こんな曖昧で良いの?

という点が、問題視されています。

また、「誤り」という発言自体も問題視されています。

第二次世界大戦は、歴史学者によっては、
「自衛戦争」との見方をしている方もいます。

また、戦争は一方の国の「誤った政策」だけで起こしきれるものではない、
との観点から、「誤り」という発言こそ誤りとの指摘があります。

さらに、「植民地支配と侵略」という発言についてですが、
第二次世界大戦での、日本の植民地はフィリピン、インドネシア、
ベトナムなど多くありますが、朝鮮半島に関して意見がわかれています。

というのも、朝鮮半島では、1910年に日韓併合を行っているため、
大戦中での植民地とは異なるからです。

しかし、村山談話の二年前に発表された、河野談話の影響により、
朝鮮が含まれるかどうかという点が、曖昧となってしまいました。

曖昧性が残れば、他国に拡大解釈される可能性が出てきます。

実際、現在でも韓国側は日本の植民地支配によって、
多大な損害をこうむったと主張しています。。。

村山談話には、こうした点が国益を損なう危険性も指摘されています。

決議に関わる問題点

村山談話が閣議決定される前に先立ち、衆議院で
「歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議案」が採択されました。

しかし、この衆議院における本議案の決議は、
502名の衆議院議員のうち、251人が出席、賛成は230人という
少人数のもとで行われたものでした。

なぜこんなに欠席者が多かったのかというと、
最初は「本日は本会議なし」という通知がなされたため、
本決議案に反対する議員の大半が帰宅しました。

しかし、急きょこの決議を主導した土井たか子衆議院議長により、
「やっぱり今日やります。」ということで、会議が開かれ、
決議案は採択されました。

記録によると、国会は1995年6月9日の午後7時53分に開会され、
同7時59分に閉会したことになっています。

わずか6分間の決議です。

まるで、だまし討ちのような状況・・・( ゚Д゚)

そのため反対を表明していながら、国会に間に合わず、
欠席となった議員がいたんですね。

また、本議案は参議院では提出すら反対され、決議されていません

これらのことから、

  • 国会議員の約半数が欠席した状況で決議された
  • 参議院では議案の提出すら拒否されている

こういったことが、問題点と言えます。

国民としては、
「きちんと議論してから、決議すべきことでしょう!」と、正直思います。

つまり、もし全議員が出席のもと、衆議院により議決がなされていたら、
否決されていた可能性があるということです。

さいごに

村山談話の問題点でした!

有名な村山談話ですが、成り立ちには、
何やら怪しい気配が漂っていました(^^;

保守派で知られる安倍首相は、第一次政権の時に
「私の内閣で変更するものではない」と明言されています。

果たして戦後70年を迎える第二次内閣で、
どのような談話を発表するのでしょうか?

また、当ブログでも追って、記事にしますね!

<追記:安倍談話、発表されましたね!>
安倍首相が談話発表!その意味は?わかりやすく!

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