日本に住民票があるすべての人が対象の、1人1つの番号、マイナンバー制度が始まりますね。
前回、その目的についてまとめました。
しかしこのマイナンバー、国民にかなり影響があるはずですが、どんなメリットやデメリットがあるのか、イマイチわかりませんよね(^^;
そこで今回は、マイナンバー制度のメリットやデメリットについて、見てみたいと思います。
この制度について、一緒に理解を深めていきましょう。
マイナンバー制度のメリット1!役所手続きの簡素化
お役所の手続きには、時間や手間がかかると感じていませんか?
それが、マイナンバー制度の導入で、大幅な時間短縮と手間が軽減されます。
マイナンバーを活用して、様々な情報をデータベースから効率よく引っ張れるようになるからですね。
例えば、次のような手続きです。
- 児童手当の現況届
今までは、毎年6月の児童手当の現況届提出の時に、所得証明や健康保険証のコピーが必要でした。それが、マイナンバーの提示だけで手続きが出来るようになります。
これは便利ですね! - 厚生年金の請求
今までは、戸籍謄本や住民票などが必要でした。こちらも、マイナンバーだけで手続きできるようになります。うちの母親の話で恐縮ですが、なんと彼女は3年もの間、年金の請求を行っていませんでした・・・orz
私が気づき、「そんなのあり得ない!!」ということで、一緒に行って請求したのですが、当然もらっているものとばかり思っていました。本人曰く、「難しくって・・・」だそうです(^_^;
実際に、そういうのが苦手な人からすると、非常に有難いことですね。
- 国民年金保険料の免除申請
今までなら、市区町村や公共職業安定所などに行って必要書類を受け取り、申請時には年金事務所にその書類を添付し提出する必要がありました。
二度手間ですね。
こそれが、年金事務所へ行きマイナンバーを提示して申請書を提出すれば手続きが出来るようになります。
他にも、引っ越しなどで住所が変更になった時の、電気やガスの住所変更手続き、パスポートの申請などの手続きが簡素化される予定です。
手続きの簡素化は、私たちにとって最大のメリットになりそうですね。
メリット2!マイナーポータルお知らせサービス
マイナーポータルとは、マイナンバー制度の個人ごとのポータルサイトです。
- 自治体などが保有している自分の情報を閲覧
- 国や自治体など、自分の情報のやり取り記録の閲覧
- 自治体などから配信される、自分に必要な予防接種、年金、介護などのお知らせの受け取り
- 引っ越しなどの時、国や地方自治体と、民間の手続きのワンストップ化
- 納税や社会保障などをキャッシュレスで行う電子決済
- 社会保険料の支払金額や確定申告の時に必要な情報の入手
以上の事が、マイナーポータルで出来るようになります。
とくに予防接種や年金など、自分に必要なお知らせが届くというのは便利です。
次は、マイナンバー制度に関するシステム構築費用ですがこちらについては、当ブログの考えではメリットとしています。なぜでしょうか?
メリット3!システム構築費用
システムの構築費用は、かなりかかるようですね。
合計で、3年で731.8億円総務省のみで予算が組まれています。この他、内閣府、内閣官房、厚生労働省、財務省などでそれぞれ予算が組まれています。
出典:総務省所管予算(案)の概要より
かなりの金額がかかりますね(^_^;)
そのため、デメリットとして紹介されることが多いようです。
ただこれは、公共事業として経済を活性化させるお金にもなり得ます。
借金が多い家計では、ひたすら倹約するのが鉄則ですが、国は事情が違います。
不況の時こそ、国がドン!っと資金を投入して、デフレの連鎖を食い止める必要があります。
その仕組みについて書くと、とても長くなるので、こちらでご紹介しています。
もちろん無駄はダメですが、国は借金だらけだから質素につつましくしよう、という考えは経済を委縮させるだけです。そのためマイナンバー関連の大きな予算も公共事業としてとらえられるので、メリットとしました。
以上の三点が、メリットでした。
しかし、私たち国民にとって、マイナンバー制度はデメリットもあります。続いてはデメリットについてご紹介しますね。
マイナンバー制度のデメリット1!個人情報の流出
皆さんが一番気にしているのは、やはりこの個人情報の流出ではないでしょうか。
我が家も知らない会社から営業電話がかかってきます。イヤですよね(^へ^;
仕事で忙しくしている時とか、本当にやめてほしい(笑)
そのため政府は、個人情報の流出予防のため様々な対策を講じています。
その一つとして、現在多くの機関で保有されている情報を集約させて1か所で管理するのではなくそれぞれの機関が情報を管理し、必要なときはマイナンバーで連携するという分散管理方式がとられています。
これは万が一、ある機関で情報が流出してもすべての情報が流出するわけではない、という仕組みです。
しかし、残念ながら流出防止の抜本的な解決策ではありません。
個人情報の流出は、その多くが故意にするものです。悪い人が売るんですね。
内部の者が名簿業者に売るか、外部の者がシステムに侵入して盗みます。外部犯行はまだしも、内部犯行はシステムのセキュリティを高めることだけでは限界があります。お金に目がくらんだ、内部犯は防ぎようがありません。
そのため政府は、今の個人情報保護法の罰則よりも、さらに厳しい罰則を設けることで犯罪を犯させないようにする方針です。
以下に、まとめました!
マイナンバーの罰則!過失の場合は?会社への罰は?デメリットその2!なりすまし被害
なりすまし被害は、マイナンバー制度がすでにあるアメリカなどで、実際に起こっている被害です。
例えば、他人のマイナンバーで本人になりすますことができれば、年金や医療給付金などの不正受給、失業給付金の受給などができてしまう可能性があります。
このような事例のあるアメリカの場合は、口頭で自分の個人番号を伝えることで本人確認としています。
利便性を追求した結果かもしれませんが、これはあまり良くないですよね(^^;
そこで、日本のマイナンバー制度では、口頭のみの本人確認は行わないようになっています。日本では本人確認の際、マイナンバーだけでなく顔写真付きの証明書が必要になります。
そのため、アメリカで発生しているような多くのなりすまし被害は軽減されるでしょう。
ただ、悪い人は色々とズル賢いことも思いつくものなので、別のなりすまし被害が発生する可能性はあります。
デメリット3!金融資産への課税
マイナンバー制度は、当初は行政機関のみで使用されますが徐々に民間の取引でも活用できるように拡大されていきます。
その中で、当初は任意なのですが、2021年をめどに預金口座へのマイナンバー適用を、義務付けることが検討されています。
義務付けられると、マイナンバーを提示しないと金融取引ができない、という事になり得るのです(;゚Д゚)
マイナンバーと銀行口座が紐づけられると、金融機関に預けてある国民一人一人の資産は、国に正確に把握されるようになります。
するとどうなるでしょう?
現在は、金融資産を1億円持っていたとしても、その年の収入(所得)が少なければ、「低所得者」という位置付けになり、所得税や年金、保険などの支払額は非常に小さくなります。
しかし今後は、金融資産や給与などの所得もすべて含めた資産に対して税率を決めることも、可能と言えば可能になります。こうなると、今まで所得が無いからと救済されていた人も高い税金を納めなければならない可能性がある、と言えます。
さらに、自動車の登録情報や、不動産の登記情報との紐づけも検討されていますので、金融資産だけでなく、不動産や高額な動産なども、税率を決める際の対象になるかもしれません。
保有している財産に対する「財産税」が導入される可能性も、あり得ることになります(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
いやもう、実現したらシャレになりません。
こちら、もう少し具体的に見てみましょう。
10億円の資産家と年収1,000万のサラリーマン
実際に、10億円の資産家で収入(所得)が少ない人と、所得1,000万円のサラリーマンでは、サラリーマンの方が納める金額は大きくなっています。
これはある意味、不公平とも言え、それが解消されるという見方もできます。上記のような2人がいると、確かに前者の資産家へもっと課税しても良いように思えます。
しかしこの10億円は、すでに課税されて残った金額を銀行に預けているハズです。
例えば、死にもの狂いで努力してビジネスに取り組み、稼いだ20億円から5億円課税されて残ったお金の一部かもしれません。
または、大きなリスクをとって、株やFXで成功した財産かもしれません。株も儲かった分にはしっかりと税金がかかっていますよね。
基本的には、収入として入ってきた時にすでにたっぷりと課税された後であるハズです。
株でも利息でも、何をやって得たお金でもすでに税金はちゃんと徴収されて、その残りが資産となるわけです。(宝くじは非課税ですが)
これに課税するのは、ある意味二重課税とも言えますし、不公平を解消するようなものでもありません。
それでは、実際には資産への課税は、あるのでしょうか?
これは現時点ではわかりませんが、日本の国の借金は非常に大きくなっています。
マトモに返済できるのか?というと、普通にやっても返済はまず不可能ですので、個人的に絶対にないとは言えないと思っています。
(煽るつもりは全くありません)
さいごに
マイナンバー制度のメリットとデメリットでした!
私たちにとってメリットもありますが、番号1つで様々な情報と紐付けられるというのは、不安もありますよね。
本当によく流出してますからね。2018年にもITの巨人facebookから8700万人の個人情報が流出しました。
しかも流出させられた方は、大きな被害でもない限り特に何も補償されませんからね。(せいぜい500円の金券くらいです)しかし、ちょこちょこ営業の電話がかかってくるようになったり、もっと大きな被害に合う可能性だって有りえます。
しかし、自分だけがマイナンバーを拒否することはできないので、知識をつけて自己防衛をすることが必要ですね。国も個人もサバイバルが必要な時代です・・・