テロ支援国家とは ?なるとどうなる?その意味をわかりやすく!

米国トランプ大統領が、2017年11月20日に北朝鮮を再度「テロ支援国家に指定する」と、発表しました。

今回で北朝鮮は二度目の指定となります。アメリカは以前にも北朝鮮をテロ支援国家に指定(1988年)し、その後2008年に解除した経緯があります。

そもそも、北朝鮮の核開発問題はずっとあるのに、なぜ解除したの?

というと、当時の米国ブッシュ政権と北朝鮮の間で、(一応の)核開発問題で解決に向けて合意できたため、なんですね。

しかしその後は皆さんご存知の通り、残念ながら北朝鮮は合意を守らずに核とミサイルを開発し続けています。

また、北朝鮮は核問題だけではありません。

北朝鮮に1年以上拘束されたアメリカ人大学生が、解放後に脳に重い障害を負い、死亡する事件がありました(拷問などが行われた可能性)。日本人拉致被害者も帰ってきていない人がいます。

さらに、北朝鮮の現在(2017年)のトップ、金正恩の異母兄である金正男氏が、猛毒のVXガスで暗殺されたことから(北朝鮮の関与が濃厚)、テロ支援国家への再指定が検討されていました。

核ミサイルによる安全面での他国への脅迫、民間人の誘拐、国外での猛毒ガスによる暗殺がテロ行為というわけです。

ちなみに最初1988年になぜ指定されたかというと、韓国の飛行機を爆破したためです。乗客全員115名が亡くなりました・・・いやもう本当に怖い国ですね、北朝鮮。

それでは、「テロ支援国家とは?」「テロ支援国家になるとどうなる?」をわかりやすく見ていきましょう。

テロ支援国家とは?

テロ支援国家とはテロを行っているか、もしくはテロリストを支援していると「アメリカに指定された国家」のことを言います。

アメリカの国務省は1979年からテロ支援国家のリストを作成しています。それに記載されると、テロ支援国家となります。

テロ支援国家の指定は、国連の機関などで指定するのかと思いやすいですが、
アメリカが単独で指定するものなのですね。

2017年現在、北朝鮮以外では、スーダン(1993年~)、イラン(1984年~)、シリア(1979年~)がテロ支援国家に指定されています。

過去には、南イエメン、イラク、リビア、キューバも指定されていましたが、現在は解除されています。

テロ支援国家になるとどうなる?

それでは、テロ支援国家になるとどうなるのでしょう?

まず、テロ支援国家に対して次のような経済制裁が行われます。

テロ支援国家に対しての経済制裁
  • 武器(関連品目含む)の輸出入の禁止
  • 軍事力やテロ支援能力アップに関する商品やサービスの輸出入の禁止
  • 金融機関からの融資の禁止
  • 経済援助についても規制される

経済制裁が行われるため、だんだんと経済的に困窮していきます。

さらに、もう1つの大きな効果として国際的に孤立しやすくなります。

覇権国家アメリカに「テロ支援国家」つまり犯罪国家と指定されることで、普通の諸外国は離れていきますよね。

衰えてきたとはいえ、経済力、軍事力、世界的企業など様々な力を持つ大国です。その国が「あそこの国は犯罪集団だから付き合うな!」というメッセージを発するわけですから、通常はアメリカとの関係を考え、テロ支援国家からは距離を取ります。そこまでしなくても、堂々と付き合いにくくなります。

アメリカが大々的に睨んでる相手と進んで仲良くしようとすることは、アメリカへの敵対と同じ意味になりますので。

ちなみに、アメリカにテロ支援国家に指定されているイランでは、CIAはテロ組織、アメリカはテロ支援国家としています。

しかし、アメリカは別に困りません。イランと関係が悪化されても他国と貿易すれば良いだけです。ここがミソですね。

あくまで超大国であるアメリカがやるから効果を発揮する、懲罰的な意味合いのあるテロ支援国家指定です。

テロ支援国家から解除された例:キューバ


<キューバの首都ハバナ>

それでは、テロ支援国家から解除された国は、どの後どうなるのでしょうか?

まず、テロ支援国家の指定が解除されたことで、米国からの「犯罪国家認定」という強い負のメッセージがなくなり、これからは関係を改善していきますよ、という意味合いの重要な一歩となります。

2015年に指定解除されたキューバと米国の間では外交関係が回復し、お互いに大使館を設置することになりました。

ただし各種の経済制裁については、解除後に議論が米国議会で行われます。そこで禁輸措置の廃止などが決まらない限り、すぐに全ての制裁を解除♪となるわけではありません

テロ支援国家の解除となっても、じっくりと関係を回復していく過程が残るわけですね。

さいごに

テロ支援国家とは?なるとどうなる?というお話でした。

超大国ならではの影響力のある措置でしたね。

北朝鮮はどこまで行ってしまうのか?が気になるところではありますが、私達は落ち着いて国防に対して関心を持ち続けましょう^^

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