発展途上国は多くの問題を抱えています。
以前、発展途上国の定義や発展途上国の問題の内、次の2つをご紹介しました。
- きれいな水が飲めません!水の問題
- 満足に食べられない!食糧・栄養の問題
記事はこちらです。
発展途上国とは?現状抱える水と食料の問題今回は、発展途上国の問題解決について、教育が重要という視点でご紹介します。
調べると、特に女の子の就学率の改善が、経済や生活にかなり好影響を及ぼすことがわかりました。
発展途上国の問題解決に重要な教育問題とは?
発展途上国の問題解決に、避けては通れないのが教育問題です。大きな問題として基礎教育が不足していることがあげられます。
- 字が読める
- 字が書ける
- 計算ができる
人間が社会の中で生きていくうえで、最低限必要なことを学ぶのが基礎教育です。
文字の読み書きや計算のことですね。
しかし、日本に住んでいると基礎教育が不足するというのは、なかなか想像しにくいです。
基礎教育が不足すると、実際に次のような弊害があります。
- 家庭で薬の説明書きが読めないため、正しい量と方法で飲めない
- 安定した収入を得る職業につけない
- お金や財産のやりとりで騙される可能性が大きい
- 正当な権利を受けることができない
このように基礎教育を受けられないと、生きていく上で何かと不利になったり、困ることが多くなります。
フウクマ
基礎教育って大切なのね。受けていないと、とても苦労しそう。。。
そうだね。例えば駅で切符を買う時に案内板を見てもわからないので、人に聞かないといけなかったりするよ。
パパクマ
また、基礎教育ができていないと、その次の中等教育や高等教育に進めませんので、国を担う人材が慢性的に不足します。
その結果、いつまでも国の経済発展などの成長が阻害されてしまいます。
字の読み書きや足し算引き算、掛け算など日本人からするとできることが当たり前に感じるけど、小さいころから基礎教育を受けてきた賜物なんだね。
パパクマ
発展途上国の教育問題!先生がいません!教室もありません!
そして、せっかく基礎教育を受けたくても、満足に教育が受けられない現実があります。
まず教育を担う先生が足りません。
国の予算が足りずに、先生に十分な給料を払えていないので先生という職業に人気がなく、教員の数が少なかったり、教員も小学校を出た程度のレベルの人が教えている、という学校もあり、教育の質も問題となっています。
すると、親からの評判も悪くなりますので、親も積極的に学校に行かせようとはしません。悪循環です。
また、教員がいたとしても満足に授業を受ける教室がない、文房具である紙と鉛筆が不足している、という問題もあります。
フウクマ
紙と鉛筆が不足するなんて、想像もできなかったわ。
- 先生の地位の向上が必要
- 勉強する環境が必要
発展途上国の教育問題!2割の子どもが小学校を卒業できない!?
さらに、せっかく学校へ行けても発展途上国では、小学校に行く子ども6,500万人のうち、2割の子どもが何らかの事情で、最終学年になる前に辞めてしまうという問題があります。
日本の子どもだと、学校辞めれるなんてラッキー!って言う子もいるかもしれませんが(^^;
本来は学校で勉強できることは、とても恵まれたことなんだよ。
パパクマ
実際に発展途上国の子ども達は学校を辞めたくて辞めるわけではありません。
それでは、子ども達はどんな理由や事情で学校を辞めないといけないのでしょうか?
次のような問題があります。
- 家の手伝いなどで学校に行けなくなる
- 学校の数が少なく、遠すぎて通えなくなる
親が子どもは労働力と考えている場合や、学校に行かせてあげたくても生活に余裕がなく、子どもの手を借りているといった現状があります。
発展途上国の女の子の教育問題
発展途上国の教育問題では、どの国も共通していることがあります。それは、就学率が男の子よりも女の子の方が低くなっていることです。
女の子が教育を受けにくい理由と状況が大きく3つあります。
発展途上国の女の子の教育問題!社会的な男尊女卑
発展途上国では、伝統的に男尊女卑の習慣が残っていることが大きな理由です。
女の子は家事をするため、勉強しても無駄となってしまうという考えや、それに近い考えを親が持っている場合は、女の子を積極的に教育を受けさせようとはしません。
また、兄弟姉妹がたくさんいる場合に、全員を学校に通わせられない時に男の子が優先されてしまうこともあります。
日本でも似た内容に、男の子は四年制大学で女の子は短大でも良い、という考え方があるよ。
パパクマ
発展途上国の女の子の問題!幼い年齢での結婚
さらに発展途上国では近年大きな問題となっている、女の子の若年齢での結婚問題があります。南アジアの貧しい国に多いのですが、16歳未満での幼い女の子が結婚しています。
愛し合っての結婚ではなく家が貧しいため、男性側からの結婚支度金や実家の口減らしのためという理由が多く、女の子が望んで結婚しているわけではなく、人権無視ではないか?と問題になっています。
これは学校で勉強するどころではありませんね。
発展途上国の女の子の教育問題!家事や農作業などの手伝い
発展途上国では、お父さんは出稼ぎに行っていてお母さんは農作業やその他の仕事や家事で忙しい家庭があります。そして兄弟姉妹がたくさんいる場合、どうしても長女に小さな弟や妹の面倒をお願いしてしまいます。
そのため学校に行きたくても行けない、という女の子が多くなっていることも問題です。
発展途上国の問題解決!女の子の就学率がカギを握る!?
しかし、女の子の就学率が上がると経済にも良いことが、ユニセフやWHO、世界銀行などのデータでは明らかになっています。
- 女の子の中等教育への就学率が上がるとGDPがアップする
- 女の子が小学校を修了すると、産む子どもが5歳まで生存する確率が40%アップ
- 女の子が小学校を修了するとHIV(エイズ)の感染率が50%もダウン
- 女の子が小学校を修了すると、地域の栄養不良率が43%低下
フウクマ
命にかかわるような大切な内容がけっこうあるのね。
1997年~2006年まで国連事務総長を務めたアナン元国連事務総長も次のように発言しているよ。
パパクマ
~引用ここから~
「女の子の教育以上に効果的な開発手段は存在しない」
コフィ・アッタ・アナン国連事務総長
出典:日本ユニセフ協会
~引用ここまで~
発展途上国の子どもの就学率を上げるためには
それでは発展途上国の女の子や男の子も含めた子供の就学率を上げるためには、どうすれば良いでしょうか?
就学率を上げるためには、まずは子供が教育を受けることのメリットを丁寧に親に対し説明して、親の意識を改革していく必要があります。
そして地域と学校が一丸となって、学校と教育を良くしていこうとする気持ちが大切です。
国がいくら主導できたとしても、現場の子どもの身近な環境が変わらないと、なかなかこの問題は解決できません。
そして国は教員(先生)の地位の向上や、教室や通学路の安全性などの環境整備を実施する必要があります。
- 親と地域社会の意識改革
- 教員の質と学校環境の質のアップ
- 国による環境の整備
さいごに
発展途上国の問題解決!女の子への教育がカギ!?でした。
とても大変な道のりですが、一歩一歩進んでいってもらいたいと思います。
私も微力ながら日本ユニセフのマンスリーサポート会員として、月々クレジットカードから自動引き落としの寄付をしています。
定期的に発展途上国の現状なども教えてもらえます。
読んでいただき、ありがとうございました。
《愛の税金》と云う言葉を教えてやってください。役に立つかも。