日本はここ20年ほどずっと、デフレが続いています。
「デフレを脱却しないと!」「なぜデフレが続くのか!?」「失われた20年」なんてニュースなどでよく見聞きしますよね。
不景気とセットで語られるため、デフレには良くないイメージがあります。
それではデフレは本当に良くないのでしょうか?
はい、最悪の経済状況です(笑)
今回は、このデフレの意味や問題点、原因を簡単にわかりやすくご紹介していきます。
デフレとは?簡単にわかりやすく!
※デフレーションの略
物の値段が下がることは、イメージしやすいのですが、お金の価値が上がるという状態は、イメージがわきにくいと思います(^_^;)
たとえ話でご紹介しますね。
例えば、1枚100円のチョコレートがあります。しかしなかなか売れません。そのため、チョコを売っている会社はチョコの値段を下げ、1枚90円にしました。
90円に値下げされたチョコレートは、なんとか売れるようになりました。しかし10%も値下げしたのであまり儲かりません。会社はもっと高く売りたいのですが、売れなくなるので、しょうがなく90円で売り続けました。
チョコの値段は10%下がり、90円となりました。
今までの100円にはチョコ1枚と交換する価値がありましたが、これからはさらに少ないお金、90円で交換できる価値があることになりました。
物価が下落し、お金の価値が上がること
値下がりはデフレ率?いいえインフレ率です
また、インフレの時は値上がり率のことをインフレ率と呼びました。10%の値上がりはインフレ率10%ですね。
それではデフレの時は?
デフレもインフレ率で表しデフレ率とは言いません。インフレ率マイナス5%などという言い方をします。
また、チョコだけではイメージがわきにくいと思いますので、家計を例にしてみましょう。
次の年はデフレでインフレ率がマイナス5%となり、物価が5%値下がりしました。
この場合、去年は100万円必要だった生活費が、翌年は95万円ですむことになりました。
インフレとは逆の意味になりますね。
この例でも、全く同じ内容の商品を購入するために必要だった100万円が95万円ですみ、お金の価値が上がっています。
フウクマ
じゃあ、デフレってけっこう良いことなの?
いいや、生活費は安くなってありがたい反面、もっと恐ろしいことに経済が縮小するのがデフレなんだ。日本はデフレで長い間苦しんでいるんだよ。
パパクマ
次では、デフレの問題点を見てみましょう。
デフレの問題点とは?何がデメリットなの?
ニュースなどでデフレのことを聞くとき、デフレ不況やデフレからの脱却という言い方をされるので、経済によくないものという印象を受けますよね。
しかし先程確認したら、デフレは物やサービスの値段が下がることなので、私たちの生活は楽になりそうにも思えます。しかし、物を買うことだけを考えると値下がりしているのですが、景気の悪化を招くという問題点があります。
- 商品の値段が下がる
- その商品を売っている会社が儲からない
- その会社で働く人の給料が下がる
- その人は給料が下がったのでお金を今までより節約する=物やサービスを買わなくなる
- 物やサービスが売れないのでさらに会社は儲からない
- 会社は儲からないので働いている人をクビにする
- 会社が儲からず、個人の給料も減るので国の税収も減る
- 失業者も増えるので、国は失業手当の支出が増える
- ~1から繰り返し~
なんと、恐ろしい・・・(^_^;)
このような状態を、デフレスパイラルと呼びます。
わかりやすく言うと、お父さんお母さんのお給料が下がったり、最悪には会社が倒産したりして働けなくなります。
しかも抜け出しにくい。これがデフレの問題点です。
実際に、日本では20年もデフレが続いていて、サラリーマンの平均給与は下がり続けています(涙)
フウクマ
デフレってとてもよくないことなんだね。
しかし、デフレの悪影響は、まだまだこんなものではありません。詳しくは下記のデフレスパイラルをご覧ください。
デフレスパイラル!脱却できるの?その方法は?デフレはなぜ起こるの?その原因とは
デフレが起こる原因は、お金の流れが少なくなることが原因です。
この「お金の流れが少なくなる」という状態は、簡単に言うと「みんながお金をあまり使わない」という状態です。会社や個人が節約志向になり、お金をできるだけ使わずに貯めておこうとすることで、お金の流れが少なくなります。これを、少し難しい言葉ですと流動性の減少とも言います。
意外にも気分の問題、みたいなことですが事実です(笑)
それでは、どういう時に「お金を使わないでおこう」と思うのでしょうか?
次のようなものがあります。
- 増税
消費税が増税されると、実質値上がりと同じなので買い控える - 公共事業の削減
公共事業で道路や建物などを作ることをやめると建築会社や関連企業、そこで働く人達は儲からなくなる - 金利アップ
金利が上がるとお金を借りにくくなり、投資や消費が減る - 社会保障の削減
年金の削減、社会保険負担費用の増加で手元のお金が減る
上記のようなことが起こると、積極的にお金を使う気はなくなりますよね。それがデフレの原因です。
例えば、景気が良くてボーナスがたっぷり出たら、お父さんは海外旅行に連れて行ってくれるかもしれません。飛行機などの交通費、ホテル代、食費、観光するお金などなど、たくさんのお金が動きます。この時、お金の流れは大きくなります。
しかし、ボーナスが少なく、日々の生活費を払うだけで大変だよ!という場合は海外旅行なんてとても行けません。将来にも不安がありますので節約しようとします。
この時お金の流れは小さく、少なくなります。
フウクマ
パパ~ウチも海外旅行に行きたいな!
そ、そうだね。デフレじゃなくなったら行こうね。
パパクマ
フウクマ
・・・
日本はデフレでずっとこのような状態が続いています。儲かっている会社も一部ありますが、社会はデフレで不景気のままなので、従業員への給料はほとんどアップできていません。仮に儲かっていても貯めてばかりなので、世の中に出回るお金は少ないままとなります。
ここでも、お金を使っても将来は大丈夫、と思える気持ちが大切なんですね。
そのため2019年10月の消費税10%への増税はさらなる不景気、デフレへまっしぐらです(涙)過去に増税で景気が縮小した証拠もありますので、良かったらご覧ください。
消費税増税の影響をわかりやすく!増税で景気は悪化!証拠アリ!デフレの解決策は?何がある?
とにかく早く解決してほしいデフレですが、デフレにはどのような解決策があるのでしょうか?
それは、上記のデフレの原因の正反対の内容が答えとなります。
自然に放置していてもデフレは解決しませんので、政府がしっかりと実行する必要があります。
次のような内容が、デフレの解決として効果的です。
- 減税
減税することで個人や企業が使えるお金が増える - 公共事業の増加
政府が公共事業を行うことで、世の中にお金が出回る - 金利のダウン
金利が下がるとお金が借りやすくなり、消費や投資が増える - 社会保障の拡充
年金額のアップ、社会保険の負担を減らすことで、手元に残るお金が増える
民間企業は儲からないことはできません。そこで国の出番です。公共事業はうってつけなんですね。
「使えるお金も増えてきたし、今後も景気は良さそうだな」と多くの人が思えると、景気は拡大していきデフレも解消されます。
パパクマ
さいごに
デフレとは?簡単にわかりやすく!でした。
デフレの影響を見てみると、物が安くなったと喜んではいられませんよね(^_^;)
日本はもう20年間、デフレが続いています。
少し、インフレ率がプラスになった時期もありますが、継続していません。バブル以降「失われた20年」と呼ばれる、デフレ不況が続いています。
日本の復活にはデフレ脱却が、切っても切り離せないのです。
早くインフレとなり、景気回復してほしいものですね(^_^;)
インフレはこちらでまとめました。
こちらでは、インフレとデフレの違いについて様々な視点からご紹介しています。
インフレとデフレの違いって何?様々な視点から見てみよう!