グローバル化の問題点とは?例え話でわかりやすく!

近年、盛んにグローバル化が叫ばれています。

「グローバル化を推進しよう!」
「グローバル化に乗り遅れるな!」

グローバル化が進むと、人やモノ、お金の流れが活性化されるのでそのメリットも多くあります。

漠然と、良いことのような印象を受けますよね(#^.^#)

しかし、グローバル化って問題はないのでしょうか?

世界は複雑で、何事も良い部分とそうでない部分があります。

または、短期的に見ると良いことが、長期的に見るととんでもないことだったり。

企業からすると良いことでも、国からすると良くなかったり。

そこで今回は、グローバル化の問題点について、簡単にわかりやすくまとめてみたいと思います^^

グローバル化とは?おさらい

グローバル化

以前、グローバル化については、こちらでまとめました。

国境グローバル化とは?簡単にわかりやすくご紹介♪

さらっと読めますので、グローバル化とはなんぞや?という場合は、一度読んでおくとわかりやすいと思います。

では、グローバル化の問題点、いってみましょう!

グローバル化の問題点とは?

グローバル化の問題点です。

グローバル化の問題点とは?
  • 産業の空洞化
    海外へ生産拠点を移すことにより、国内の工場の閉鎖や失業者の増加が起こる
  • 賃金の低下
    海外から、安価な労働力が入ってくるため、人件費の高い日本人の賃金が下がる
  • 失業率の増加
    海外から、安価な労働力が入ってくるため、人件費の高い日本人は失業する
  • 貧富の格差拡大と富の集中
    安価な労働力や、優秀な外国人に仕事を奪われた人:貧しくなる
    ⇒それほどの技術を要しない単純労働や肉体労働は、外国人にとって変わられる

    安価な労働力を使って、利益を拡大することに成功する経営者や高度な技術を持つ人材:豊かになる
    ⇒外国人も、高度な技術を身に付ける時代が来る可能性あり

  • 人権無視や過酷な労働環境
    発展途上国などの、法整備が整っていない国で、人権を無視した労働環境で現地の人を雇う
    ⇒その結果、日本へのマイナスイメージ
  • 技術の流出
    海外へ生産拠点を移したり、国内で外国人を雇うことで、技術が他国へ流出する
  • 人材不足
    グローバル化に対応できる人材不足・育成不足のため、企業の経営が圧迫される
  • 安価な商品との競争激化
    安価な労働力で生産されたそこそこ良い品質の商品(海外製品)と、国内の高い労働力で生産された高品質の商品(日本製品)で、競争するハメになる
    ⇒良い製品を作れば売れる時代ではなくなり、競争力のない企業は潰れる
  • 伝統的な文化の破壊
    良い悪いは抜きにして、それまで通りのやり方や伝統は通らなくなる(終身雇用や年功序列など)
  • 差別が生まれる
    失業した日本人⇒職を得た外国人への差別
  • 治安の悪化
    失業した日本人達と、差別される外国人達との対立
  • 金融危機の伝播
    グローバル化により密接に経済が結びついているため、危機が起こった場合に伝播するのが早く、大きな影響を受ける
  • 感染症の伝播
    今までは考えられなかったような、遠いアフリカの伝染病などが、国内で感染する可能性
  • 環境への負担
    グローバル化により、世界的に大ヒットした商品が発生した場合、その材料の過剰な乱獲が起こる可能性

かなり、たくさんありますね(´ー`A;)

ざっくりとした説明をつけましたが、わかりにくい部分もあると思いますので、次ではいくつかの問題点を、例をあげて詳しく見てみましょう。

グローバル化のメリットその1:海外の低コストでの生産

グローバル化のメリットの1つに、こういったものがあります。

安価な海外の労働力を使って、低コストで生産できる

今まで、人件費や材料費や工場の家賃やらで、2,000円かけて生産していて、3,000円で販売していた人気商品Aがあるとします。

Aの儲けは、差し引き1,000円ですね。

しかし、日本は社員さんの給料も、土地も高い。

企業は、基本的に更なる利益とコストカットを追求しますので、もっと儲けるために何ができるか検討したところ・・・

東南アジアのA国では、1,000円で生産できることがわかりました。人件費がかなり安くなり、日本へ運ぶ輸送費を入れても大きなコストカットになりました。

儲けは、差し引き2,000円になります。

海外生産は、いくつもハードルがありますが、今はグローバル化が進んで進出しやすくなっています。

このメーカーは、東南アジアのA国に生産拠点を移すことにしました。その結果、当初の予定通り、このメーカー企業は、とても儲かりました。

儲けが、1,000円⇒2,000円の倍ですからね(#^.^#)

これだけならとても良いことなのですが、続きがあります。

グローバル化の問題点その1:国内の生産拠点が不要に

海外の工場

海外へ生産拠点を移したということは・・・

今までの、国内の生産拠点は不要になるということです。

工場、そこで働いていた社員さんが、不要になりましたので、企業は工場を閉鎖したり、社員さんを解雇しました。

その結果、失業者は増加します。

政府は失業保険を支給しますので、日本は経済的な負担が増えることになりました。

そして、失業者は税金をほとんど納めませんので、税収もダウンします。

また、海外で生産拠点を設けたということは、海外の土地を借りて、海外の建設業者さんに工場建設を発注します。

工場で働く人達は、リーダーや幹部は日本から連れていき、それ以外の従業員は現地の人を雇うでしょう。

つまり、日本国内を潤したはずのお金は、全部海外へいきます。

さらに、企業が経済的な活動をすれば、その国に税金を納めることにもなりますので、日本の税収はその分も減るでしょう。

そのため、企業が海外へ生産拠点を移す場合、産業の空洞化という問題が起こります。

それに伴い、国内の関連する産業も影響を受けますね。

では、生産拠点は移さずに、海外から安価な労働力を国内へ呼び込んだ場合を考えてみましょう。

グローバル化のメリットその2:海外からの安価な労働力

グローバル化のメリットの1つに、こういったものがあります。

安価な労働力を国内に呼びこみ雇うことで、低コストで生産できる

今回は、海外へ生産拠点は移しませんが、代わりに、発展途上国などからの外国人を迎え入れ、安い給料で雇った場合です。

今までは、月に25万円払って雇っていた日本人の代わりに、A国の人は、月に15万円でも元気に文句を言わずに働いてくれます。

差し引き、10万円も人件費をうかすことができます。

多くの従業員を、日本人⇒A国の人へ雇い直すことで、海外への生産拠点の場合と同じように生産コストを下げることができ、このメーカー企業は、またもや儲けが増えました。

一番のコストは人件費って、よく言いますしね。

しかしこの結果、次のような問題点が起こります。

グローバル化の問題点その2:日本人の不満

指をさす女性

月に25万円のお給料をもらっていた日本人は、A国の人のために職を失いました。毎月25万円が、0円です。

MEMO
本当はA国の人が悪いわけではなく、企業がコストカットをした結果なのですが・・・

すぐわかる問題としては失業率の増加と、失業保険などの国の支出の増加、税収のダウンですね。

でもこの問題は、解決のとても難しいものへと、発展する可能性があります。

どういうことかというと、実際に職を失った人からすると、A国の人達を良くは思えません。

あいつらのせいで、仕事がなくなっちゃたよ(涙)

と、不満を仲間内で話すでしょう。

「あー自分の国に帰れば良いのにな!」

と思うかもしれません。

そして、そういう不満を持つ人が大勢になったら?

その結果、A国の人達を差別するようになるかもしれませんし、腹いせにイヤガラセが起こる可能性もあります。出稼ぎ労働者であるA国の子供は、学校でいじめに合うかもしれません。

するとどうなるか?

真面目に働いているのに、迫害されたA国の人達は、同じ国・民族同士で団結し、防衛しようとします。

できるだけ同じ地域に住み、助け合いますよね。身を守るための、生き物の自然な行為です。

そして次は、団体同士で敵対します。団体同士で常に話し合いができ、それで解決できるのなら良いでしょう。しかし、職を得た側と失った側ですので、根本的な解決策はありません。

そして怖いのが、そのままエキサイトして嫌がらせが暴力事件などにつながる可能性もあり得るということです。

暴力には暴力で対抗しようとする団体も出てくるでしょう。

つまり、これらのことがもたらす問題点は、治安の悪化です。

もっと対立がエスカレートして、テロの可能性につながる危険性もあります。

実際に、移民をたくさん受け入れたヨーロッパなどでは、こういった対立が起こってしまっています。

ドイツでは、出稼ぎ労働者を多数受け入れた結果、メルケル首相が、「移民政策は完全に失敗だった」と、公式に発表しています。

このように、海外からの安価な労働力を受け入れることは、とても難しい問題につながる可能性があります。

おわりに

グローバル化の問題点のご紹介でした!

政府では、移民の受け入れを議論している、というニュースがたまに流れます。少子化で労働力不足を補うためですね。

しかし日本は島国で、どちらかというと閉鎖的だと思いますし、上記のような問題点もありますので、移民受け入れの議論はよくよく慎重になった方が良いと思います。

うまく文化が融合して、仲良くできれば最高ですが、他国を見るとなかなか難しいのが現実のようです。

この、グローバル化・自由貿易の反対である保護貿易について、こちらにまとめました。アメリカのトランプ大統領が推進していますよね。

貿易で使われる貨物船保護貿易とは?簡単にわかりやすく!メリットとデメリットもご紹介♪

6 COMMENTS

キムタロ

大変分かりやすく勉強になります。
今までの内容をまとめた書籍化等はしないんでしょうか?

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ヤナイ

キムタロさま、こんにちは。

嬉しいコメントありがとうございます^^

> 今までの内容をまとめた書籍化等はしないんでしょうか?

お、恐れ多いことですが・・・
そんな素敵な機会があれば、是非やってみたいと思います^^

ありがとうございました!

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ヤナイ

えーっと、出典は特にありません(^_^;)
今回の記事は、今までの読書や経験で私の中にある知識から書いていますので。
宜しくお願い致します。

返信する
匿名

個人的にグローバル化のデメリットはモノの2極化だと思います。超高級な物と安価な物に分かれてしまうということです。メーカーにしてみれば安い割に性能がいい物を作るぐらいなら、そういった物の値段を吊り上げて世界中の富裕層向けに販売したほうが儲かるわけで、どんどんそういった物が少なくなっている気がします。仮に安くていい物が出てきても外国から富裕層が買いに来てすぐになくなってしまうのでとても残念です。

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ヤナイ

なるほど~そういう考えもありますよね。

しかし、私は実感として安くて良いモノを日常的に購入しています。昔より、そう思える商品は増えています。
先日は腕時計の革ベルトを注文したのですが、安くて質が良くてビックリしました。
数年前は5千円以上していた似たような商品が、1500円程度に^^

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