円高が日本経済に与える影響とは!?

円高といえば、何を想像しますか?

  • 海外旅行が安くなる
  • 輸入品が安くなる
  • 輸出業界への悪影響
  • FXで儲かる(損する)

などがあると思います。

でも、そういった表面上のことではなく、
日本にとって本当に困る理由があります。

今回は円高が日本経済に与える影響を、次の順でご紹介したいと思います。

  • 円高がもたらす輸出業界への悪影響
  • 円高回避の輸出企業の対応は日本が困ることになる?

円高がもたらす輸出業界への悪影響~利益がふっとぶ

為替

まず、円高は輸出業界にとって不利と言われています。

日本は優れた商品を輸出して稼ぐことが、メイン事業※の国家だからです。

※GDPに対する輸出の割合は15%程度ですが、部品などの下請け企業も含めると、影響する%はもっと増えます。

でも円高だと、輸出商品の材料である、輸入品は安く買えるようになるので、
そんなに損はしないよ、という意見もあります。

でも、実際にはそんなことはありません

計算してみましょう。

原材料と人件費その他経費と売値

例えば、次のような条件で、輸出企業の儲けを計算してみます。

  • 材料費(輸入品):100ドル
  • 経費(日本国内での人件費やその他経費):7,000円
  • 売値(輸出額):200ドル

それぞれ見てみましょう。

1ドル=80円の場合

2010年頃は1ドル=80円でした。
輸出業界にとって暗黒の時代です。

売値200ドル:16,000円 - 材料費100ドル:8,000円 + 経費:7,000円
 = 儲け:1,000円

この場合、儲けが1,000円です。

1ドル=100円の場合

2013年頃、1ドル=100円の場合です。

売値200ドル:20,000円 - 材料費100ドル:10,000円 + 経費:7,000円
 = 儲け:3,000円

全体的に価格がアップしました。

材料費もアップしましたが、儲けは3倍に増えました

1ドル=120円の場合

次に2003年頃、1ドル=120円の場合です。

売値200ドル:24,000円 - 材料費100ドル:12,000円 + 経費:7,000円
 = 儲け:5,000円

売値に伴い材料費もアップしましたが、
儲けはさらに増えて5倍になりました\(^O^)/

いかがでしょうか?

円高(上記の例で80円)では、材料費である輸入品が安くなるから、
円安(上記の例で120円)と差引トントンということは、

ありえないことが、わかります。

円高は、確実に輸出業界にとって不利な死活問題です。

これが円高の困るところです。

そして、輸出企業は、そのまま円高を受け入れられるはずがありません。

なんとかしようとします。

円高による輸出企業の対応は、日本が困ることに!

円高や円安といった為替のことは、企業努力でどうにもできません。

円高のたびに、会社が倒産しそうになっては、経営者も従業員も安心できませんよね。

そこで、企業が考えた対応策は、

海外に工場を建てて、そこで商品を生産してしまおう!

というものです。

海外の工場

円高という為替の影響は、日本の円に両替するから関係のあることなので、
両替しなければ、為替の影響を受けません。

先ほどの例をあげると、

売値200ドル - 材料費100ドル + 経費50ドル = 儲け50ドル

です。

円高でも円安でも関係ありません

超グッドアイデア( ´∀`)b

(日本の企業なので、多少は影響を受けますが、
 比べ物にならないくらい安定します)

これで、企業は一安心です。

MEMO
企業にとってはこの方法はプラスです。

企業の海外移転は、日本全体として考えるとどうなる?

ただ、視点をもう少し大きくして、
日本全体で考えてみるとどうでしょうか?

実は、大きなマイナスになります(;´Д`)

なぜなら、外国に商品を製造する工場を
建てたことで、日本の工場が不要となります。

そして、日本の工場は閉鎖され、そこで働いていた人たちも、職を失い、
日本に失業者が増えてしまいます。

そのため、日本国としては失業率が上がり、失業手当や
生活保護を払うための、政府支出は増え、大きなマイナスとなります。

MEMO
日本にとってはこの方法はマイナスです。

これが、

円高の影響で本当に困る理由です。

円高が進み過ぎるのも良くないですが、バランスが重要ですね。

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