円高といえば、何を想像しますか?
- 海外旅行が安くなる
- 輸入品が安くなる
- 輸出業界への悪影響
- FXで儲かる(損する)
などがあると思います。
でも、そういった表面上のことではなく、
日本にとって本当に困る理由があります。
今回は円高が日本経済に与える影響を、次の順でご紹介したいと思います。
- 円高がもたらす輸出業界への悪影響
- 円高回避の輸出企業の対応は日本が困ることになる?
円高がもたらす輸出業界への悪影響~利益がふっとぶ
まず、円高は輸出業界にとって不利と言われています。
日本は優れた商品を輸出して稼ぐことが、メイン事業※の国家だからです。
でも円高だと、輸出商品の材料である、輸入品は安く買えるようになるので、
そんなに損はしないよ、という意見もあります。
でも、実際にはそんなことはありません。
計算してみましょう。
原材料と人件費その他経費と売値
例えば、次のような条件で、輸出企業の儲けを計算してみます。
- 材料費(輸入品):100ドル
- 経費(日本国内での人件費やその他経費):7,000円
- 売値(輸出額):200ドル
それぞれ見てみましょう。
1ドル=80円の場合
2010年頃は1ドル=80円でした。
輸出業界にとって暗黒の時代です。
= 儲け:1,000円
この場合、儲けが1,000円です。
1ドル=100円の場合
2013年頃、1ドル=100円の場合です。
= 儲け:3,000円
全体的に価格がアップしました。
材料費もアップしましたが、儲けは3倍に増えました。
1ドル=120円の場合
次に2003年頃、1ドル=120円の場合です。
= 儲け:5,000円
売値に伴い材料費もアップしましたが、
儲けはさらに増えて5倍になりました\(^O^)/
いかがでしょうか?
円高(上記の例で80円)では、材料費である輸入品が安くなるから、
円安(上記の例で120円)と差引トントンということは、
ありえないことが、わかります。
これが円高の困るところです。
そして、輸出企業は、そのまま円高を受け入れられるはずがありません。
なんとかしようとします。
円高による輸出企業の対応は、日本が困ることに!
円高や円安といった為替のことは、企業努力でどうにもできません。
円高のたびに、会社が倒産しそうになっては、経営者も従業員も安心できませんよね。
そこで、企業が考えた対応策は、
海外に工場を建てて、そこで商品を生産してしまおう!
というものです。
円高という為替の影響は、日本の円に両替するから関係のあることなので、
両替しなければ、為替の影響を受けません。
先ほどの例をあげると、
です。
円高でも円安でも関係ありません
超グッドアイデア( ´∀`)b
(日本の企業なので、多少は影響を受けますが、
比べ物にならないくらい安定します)
これで、企業は一安心です。
企業の海外移転は、日本全体として考えるとどうなる?
ただ、視点をもう少し大きくして、
日本全体で考えてみるとどうでしょうか?
実は、大きなマイナスになります(;´Д`)
なぜなら、外国に商品を製造する工場を
建てたことで、日本の工場が不要となります。
そして、日本の工場は閉鎖され、そこで働いていた人たちも、職を失い、
日本に失業者が増えてしまいます。
そのため、日本国としては失業率が上がり、失業手当や
生活保護を払うための、政府支出は増え、大きなマイナスとなります。
これが、
円高の影響で本当に困る理由です。
円高が進み過ぎるのも良くないですが、バランスが重要ですね。