集団的自衛権!憲法解釈をどう変更するの?わかりやすく!

集団的自衛権が、活発に議論されています。

今の日本は、憲法の解釈によって、
集団的自衛権は使えません。

権利はあるけど使えないよ!っていう、
なんともややこしい状態です( ̄ω ̄;)

これを、憲法の解釈を変えることで、使えるようにしよう
と安倍政権は考えています。

でも、集団的自衛権が使えるようになることで、
望まない戦争をしに行くことになるのでは?

ということを心配する意見があります。

そのため、集団的自衛権について、
政府はどうしようとしているのか?

私達国民も、シッカリと学ぶ必要がありますよね。

そこで今回は、

集団的自衛権を使えるようにするため、憲法解釈をどう変更するのか?

こちらをわかりやすく、ご紹介しようと思います^^

ちなみに集団的自衛権って何?という場合は、
こちらを読めばよくわかるように、以前まとめました。

集団的自衛権の問題点とは?メリットって何?

では、憲法解釈の変更について、まずは現在の解釈から
見ていきましょう!

集団的自衛権の現状の憲法解釈は、どうなってるの?

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日本は集団的自衛権を行使できません!

っていう現在の憲法の解釈があります。

でもそれって、政府としては具体的に
どう発表しているのでしょうか?

こちらは、防衛省のHPにちゃんと書いてありました。

~引用ここから~

【防衛省HP・憲法と自衛権より】

(4)集団的自衛権
国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を有しているとされています。わが国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然です。しかしながら、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されないと考えています。

~引用ここまで~

ちょっと長いので、簡潔に要約します^^

集団的自衛権の現在の憲法解釈

  • 国際法上、国家は集団的自衛権を持っている
  • 日本も主権国家である以上、他国と同様に権利は持っている
  • しかし憲法第9条で許されている自衛権は、
    自国への攻撃に対する反撃(自衛)のみが妥当である
  • よって、他国への攻撃に対する日本の反撃は、憲法上許されない

うーん、なるほど。

日本も権利は、持っているけど
憲法9条的に考えると、使うのはダメよ!

ってことのようです。

でも「権利はあるけど使えない」ってピンときませんよね。

矛盾しているように思えます(^^;

では次に、この憲法の解釈をどう変更して
集団的自衛権を認めようとしているのでしょうか?

次で、見てみましょう!

集団的自衛権を使うために、どう憲法解釈を変えるの?

今、集団的自衛権は、憲法9条があるために、
使えないことは、わかりました。

では、集団的自衛権を使えるようにするために、
どのように憲法解釈を変更するのでしょうか?

2014年5月15日の安倍首相の記者会見※から、
要点をまとめます。

※集団的自衛権の行使についての、有識者会議からの報告書に基づいたもの

集団的自衛権を認める憲法解釈について

  • 個別的・集団的を問わず、自衛のための武力行使は憲法でも禁止されていない
  • 国際法上、合法な国連の安全保障措置への参加について、憲法上の制約はない
  • 日本の安全に、大きな影響が及ぶかもしれない場合、
    限定的に集団的自衛権を行使することは許される
  • 生命、自由、幸福追求に対する国民の権利を政府は最大限尊重する
  • 憲法前文と憲法13条を踏まえれば、日本の平和と安全を維持するため、
    必要な自衛の措置をとることは憲法上禁じられていない

箇条書きにしてみましたが、
まだちょっと難しいですね(^^;

簡単に言うと、こんな感じです。

憲法9条的に考えても、自国のためや、合法的な国連の
活動だったら、集団的自衛権を使ってもOKですよ!

それは憲法前文と憲法13条※と、日本の
平和と安全にも矛盾しません!

※個人の尊重、生命、自由及び幸福の追求、
公共の福祉などについて規定

安倍政権としては、このように憲法の解釈を
変えるつもりのようです。

補足として、一番気になる、
日本が戦争に巻き込まれるのでは?
という点についても、説明しておられました。

  • 自衛隊が武力行使のために、イラク戦争などの戦闘に参加するようなことは、
    今後も決してない
  • 自衛のためならすべての活動を許しているとは考えていない

この部分については、国民がまだ納得していない部分があるので、
今後も説明をされていくのでしょう。

おわりに

今回は、集団的自衛権の憲法解釈の変更についてでした。

しかし、集団的自衛権って全ての国が持つ権利ですが、
日本は権利は保有するけど使えない、なんて、
回りくどいことになっていますね(^^;

南シナ海での中国とベトナムの衝突や、
尖閣の問題を見ていると、日本の安全を守るために、
集団的自衛権を認めることになると思っています。

2013年度の中国軍戦闘機へのスクランブル(緊急発進)は、415回もありました。

もう残念ながら、ノンビリしていられる状況では
ないことだけは確かですね。

読んでいただき、ありがとうございました。

21 COMMENTS

こういち

ネットで集団的自衛権を調べていたらこちらに行き着きました。
とても勉強になりました。
ありがとうございます。

ところで、憲法9条の条文と、その条文に対しての解釈として、自衛隊の存在自体が違憲かどうかというところから説明を進められた方が、憲法9条の改正問題と話が繋がってもっと分かりやすくなると思いますよ。

今から他の記事も読ませて頂きますね( ̄▽ ̄)

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ヤナイ

こういちさま、初めまして。

コメントありがとうございます。

> ところで、憲法9条の条文と、その条文に対しての解釈として、自衛隊の存在自体が違憲かどうかというところから説明を進められた方が、憲法9条の改正問題と話が繋がってもっと分かりやすくなると思いますよ。

課題として、考えさせていただきますね。
ありがとうございます。

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たいちです。

とても解りやすかったです!
私、個人は賛成なのですが。
イラク戦争のような……とありますが、戦闘に参加しなくても。あの戦争に自衛隊を派遣してるし、結局押し切られてしまいそうな気がします。

ただ、対中韓外交を考えると。。。

でも、もう日本が戦争は無いと思いますが、自分の子
や孫の世代で暴走しかね無いですよね。
難しい問題ですよね。

以上感想でした。

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ヤナイ

たいちです。さま、こんにちは。

本当に難しい問題ですね。

> イラク戦争のような……とありますが、戦闘に参加しなくても。あの戦争に自衛隊を派遣してるし、結局押し切られてしまいそうな気がします。

そうですね。集団的自衛権とは関係なく、派遣すると思います。
そこで、どういった活動をするのかが大事ですね。

私も戦争なんてごめんです!

子どもや孫の世代で、暴走がないように政府を監視し続けましょう。

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蒟蒻ガール

この記事がリンクされていた記事から来ました。
前の記事もこの記事もとてもわかりやすかったです!
踏まえた上で、法の解釈を変えることは必要だと感じました。

日本って自己中な国なんだなと、嫌悪さえも。
今後の動向きになります

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ヤナイ

蒟蒻ガールさま、こんにちは。

> 日本って自己中な国なんだなと、嫌悪さえも。

自己中な部分は少しずつ直していったら良いのでしょうね。
でも、経済的にはかなりアメリカには譲歩しているので、大丈夫ですよ。
アメリカ以上にしたたかな国はないですよ~。

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ヒロジー

集団的自衛権の事がわかりやすくて勉強になりました。自分の住んでいる沖縄県ではこの集団的自衛権の事で敏感になっています。それは米軍基地が沖縄県に集中しているのと昔の戦争がとても激しかったとゆう事
もし米軍絡みの戦争が起きたら、真っ先に沖縄県が巻き添えに合う事 もう昔の戦争を起きて欲しく無い強い思いがあるからです。

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ヤナイ

ヒロジーさま、こんにちは。

わかりやすかった、とのことで良かったです^^

去年、沖縄に旅行に出かけました。
広々としたアメリカ軍人の家や別荘のある地域に行ったのですが、
日本の普通の一戸建てから考えると、とても素晴らしい家と場所でした。。

ただ、今後は米軍絡みの戦争の心配よりも、中国との対立に焦点をあてる時期のように思えます。

中国が発表するには、沖縄県の帰属は日本にはないそうですよ。
じゃあどこに?なぜそんなことを?

とても気がかりです。

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えす

集団的自衛権について調べていたらここにたどり着きました。

とても勉強になります!

一つ気になったのですがアメリカは何故集団的自衛権を行使できない状態の日本と今まで同盟をくんでいるのでしょうか?
無知ですみません!

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ヤナイ

えすさま、こんにちは。

冷戦時代のソ連への対応と、中国への対応のためだと思います。

アメリカはアジアの重要拠点として、日本を使っています。
経済的にも、日本はかなりたくさん譲歩してきました。
日本を守ることは、その見返りでもあると思います。

また、日本が戦争をできない状態であるのは、アメリカが作った憲法があるからですしね。

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匿名希望

本質的に心配してるのはこんな低次元の一次情報ではなく、この変化の先に起こる世界初な変化に対してな気がします。
今のレベルの低い世界平均の民度で国を守ると考えれば、それは軍事力しかないでしょう。実際、日本はアメリカに守られてきました。根本的なパワーバランスが軍事力から別の分野に移り始めています。わかりやすく言えばその国を犯すと経済にどう打撃があるかの戦いに入り始めてると思います。

その牽引を一部担ってきたのは日本です。

中国、ロシア、あと北朝鮮、確かに軍事費拡大してますが相手の立場になって、もし先方の官僚になったと仮定し、手段を選ばぬ国力の最大化を考えれば、軍事費拡大に辿りつくでしょう。

一方、日本には戦後から多数の制約があるなか官僚は戦ってきました。

一見、この制約を外すのが適当な感じがすると思います。

その結論は簡単に出せると思います。

だって隣の国が空母持ってるのに日本持ってない。

ではこの後の世界の動きのシュミレーションしましたか?

GDP費に対して1%の軍事費というとても軍事費が低い感じがする日本ですが、まだGDP世界3位の国です。

世界では自衛隊は当然、軍隊と呼ばれています。自衛隊なんて名前知ってるのは日本だけです。

軍事費が世界5位の国が今まで背負ってきた不利な条件を外した後の他国の動き。

隣国の動き。

軍事の権利の行使力が他国と同じになるのがいいなんて一見いいに決まってます。

まだ世界経済は176兆円の軍事費に左右されてますから。

馬鹿でもこんなの考えつきます。

人任せの単純なロジックではなく、ちゃんと2手、3手、100手先まで考え抜いてこの結論を出すべきです。

軍事力が支配できるのは、国家が経済に対して大きな影響を持つ間だけです。

資本主義から評価経済主義に移り始めている今は軍事なんてカスみたいなものになり始めています。

今後50年で国家の影響もカスみたいなものになります。

Googleのサーバーは誰も攻撃できなくなります。

Amazonの流通を阻害することは誰もできなくなります。

インターネット止める行為は自殺行為に値する日が来ます。

そこまでよんで、よみによんで100年先まで考え抜きましょう。

そうやってきた先人のおかげで今の日本、世界があります。

軍事に左右されることを増大する短期的な未来の先は圧迫された民による当然なる自爆テロの増大です。

集団的自衛権、この一次情報に躍らされずに、軍事的に守るということを一旦忘れて、世界第5位の軍事費の国が動くことの先の世の中を考え抜きましょう。

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るる

こんにちは、論理的で、客観性に富んだ文章を、興味深く読ませていただきました。

ひとつ自分の中での意見を固めるために質問があるのですが、
2013年度の中国軍戦闘機による領空侵犯のお話、どこかのニュース記事、もしくは防衛省資料をご覧になられてでしょうか?参照元がありますなら、ご提示いただけるととてもありがたいです。

よろしくお願いいたします。

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ヤナイ

るるさま、こんにちは!

> 2013年度の中国軍戦闘機による領空侵犯のお話

申し訳ありません!
領空侵犯ではなく、スクランブルの間違いでした。

領空侵犯を415回もされてたら、防衛上問題ありですね・・・

訂正してお詫び致しますm(_ _)m

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るる

ご返答と調べていただきありがとうございます。
お返事待ってる間、自分もどのニュースのことだろう…?と調べてみてました;

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140409/chn14040918395002-n1.htm

これのことなんですね。どちらにしろ安心できることではないですね。

こちらの記事で、改めてちゃんと調べてみようと自分も思えたのでよかったです。
これからも読みやすく中身のある記事を期待しています。

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てん

はじめまして!

とても解りやすい記事だと思うのですが、
最期の結論の
「何かは、変えていく必要があるのでしょう」の前提である
尖閣の問題はこの記事の主題である集団的自衛権でなく、
個別的自衛権で対処する問題ですよね。

また、冷戦下、対ソ連機へのスクランブル発進は944回を数えた事があります。
領空侵犯はソ連20数回、ロシア10数回、中国1回、台湾1回です。

中国の軍備増強による東アジアのパワーバランスの変化や
や核心的利益論の脅威は否定しませんし、
冷戦後の国際情勢の変化についても
各国の思惑を冷静に判断していかなければと思っております。
特に集団的自衛権に関しては国民も閣議決定後、
いやがおうでも関心が高まる問題だと思っております。

解りやすく伝える姿勢は大切だとおもいますし
だからこそ、このHPはとても意義深いとおもいますので、
政府の説明に納得していないような人にとっても、
なるべく恣意的だと思われないような記事を希望します。

ありがとうございました

返信する
ヤナイ

てんさま、はじめまして!

> 「何かは、変えていく必要があるのでしょう」の前提である尖閣の問題はこの記事の主題である集団的自衛権でなく、個別的自衛権で対処する問題ですよね。

なぜでしょうか?

集団的自衛権のことは、尖閣諸島を念頭においた政策ですよね?
個別自衛権では対応しきれなくなる未来に備えてのことだと思っています。

> 解りやすく伝える姿勢は大切だとおもいますしだからこそ、このHPはとても意義深いとおもいますので、政府の説明に納得していないような人にとっても、なるべく恣意的だと思われないような記事を希望します。

そうですね。
大文字だから、ちょっと変かもしれませんね。

直しておきます。

返信する
匿名

お返事ありがとうございます!

>集団的自衛権のことは、尖閣諸島を念頭においた政策ですよね?
>個別自衛権では対応しきれなくなる未来に備えてのことだと思っています。

ごく基本的な前提なのですが、尖閣は日本の領土。すなわち自国ですよね。
自国が直接攻撃された場合に対処するのは個別的自衛権に拠ってです。
日米安保下ですので、もちろん米国と共同で対処できます。

個別自衛権では対応しきれなくなることは
もちろん集団的自衛権で対応することになると思います

ありがとうございました

返信する
てん

すみません!
匿名で投稿になってしまいました。
上の投稿は「てん」からの投稿です。

大変失礼致しました!

返信する
あば

途中のリンクにも飛びながら拝読させていただきました。中立的な内容で大変分かりやすく勉強になりました
ありがとうございました

返信する

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