先日、中国のGDPが2014年中に、
米国を抜いて世界一に、というニュースがありました。
マジか~!!
と、かなりビックリしました。
それと同時に、
あれ?日本を抜いたとはいえ、2013年は中国のGDPって、
アメリカの半分くらいじゃなかったっけ?
1年でそんなに成長するわけないし・・・
と思っていたら、購買力平価を基準にした為替で
計算すると、2014年にアメリカを超えることになるようです。
今回は、そんな、
購買力平価について、簡単にわかりやすく、
ご紹介したいと思います^^
購買力平価(PPP)とは?簡単にわかりやすくいうと?
購買力平価(PPP)とは、
違う通貨同士の為替レート※の1つの決め方です。
※為替レートは、「今日は1$が102円だとか、
1$が95円になって円高だ」とかのアレですね。
そして、絶対的購買力平価説と相対的購買力平価説の
2つがあります。
絶対的購買力平価説とは?
絶対的購買力平価説は、例えば、
外国に旅行に行ったら、色んな美味しいものを食べますよね。
非日常的な雰囲気の中で、普段食べたことのない食事は、
とても楽しく美味しいものです^^
でも、お昼とか、安く手軽にすませたい時もあります。
そんな時、世界中にチェーン店を持つ、
ハンバーガーショップがあったとします。
日本でも食べ慣れているし、ヨシ今日のお昼は
ここにしよう♪となりました。
このお店のハンバーガーは、
世界中で、同じ品質で販売されています。
そして、この同じ品質のハンバーガーが、
アメリカでは1$、日本では100円とします。
この場合、
同じ品質のものは同じ値段のハズ※、
という理屈で為替を考えると、1$=100円となります。
※一物一価の法則といいます
これが、絶対的購買力平価説での為替レートです。
一物一価の法則と買う力、という視点から、
為替レートを決める考え方ですね。
相対的購買力平価説とは?
相対的購買力平価説は、ある国とある国の、
物価の上昇率の比較※で為替は決まる、という考え方です。
※インフレ格差といいます。
このインフレ格差から、為替レートを決めていくものが、
相対的購買力平価説です。
具体的には、
アメリカの物価上昇率が、日本より高い場合、
その格差の分だけ、ドルの価値は下がります。
むむ、ちょっとややこしいですね(^^;
例え話で考えると、以下のようになります。
- 現在の為替:1$=100円
- アメリカの物価上昇率:5%
- 日本の物価上昇率:1%
この場合、5%-1%の4%分アメリカの物価は高くなったことになります。
その分ドルの通貨価値は、日本円に対して、相対的に4%下落すると考えられ、そうすると為替レートは次のようになります。
「1ドルに対する、相対的購買力平価説の為替は?」
100円×(日本の物価上昇率1.01÷米の物価上昇率1.05)=約96円
約96円となり、ドルは円に対して、4%下落したわけですね。
それでは次に、購買力平価の、
メリットとデメリットを見てみましょう。
購買力平価のメリットとデメリットは?
通常の為替レートは、短期的には国家が為替を操作することもできますし、
貿易での取引や投機によっても左右されます。
購買力平価で決まる為替レートは、物価の購買力にもとづいて
決めますので、実際の経済活動や生活の実感に、より近くなります。
そのため、購買力平価を使った為替レートの方が、
より実用的、というメリットがあります。
デメリットは、この購買力平価説の前提条件により、
大きく3つあります。
- 同じ品質・同じ条件の商品が少ない
- 国ごとの経済事情で考慮されていないものがある
- 一物一価の法則自体が成り立ちにくい
同じ品質・同じ条件の商品が少ないって?
例えば、先ほどのハンバーガーですが、日本に、
ハンバーガーショップがたくさんある場合は、
価格競争にさらされ、日本での値段は安くなります。
それとは反対に、日本にハンバーガーショップが
少ない場合は、価格競争をしなくてすむので、
日本での値段は高くなります。
このように、1商品だけでは判断できないので、
他の商品も、たくさん判断材料に入れる必要がありますが、
本当の意味での、同じ品質の商品ってなかなか多くありません。
国ごとの経済事情で考慮されていないものがあるって?
バラの花1本の価格でも、バラの生産環境に適している国では、
栽培しやすく、価格は安くなりやすいですが、
バラの栽培に適していない国では、値段は高くなりますよね。
でも、バラの花を国家プロジェクトとして、たくさん輸出していくよ!
となった場合、バラの栽培農家に、政府が補助金を出すかもしれません。
そうすると、たくさん生産されて、バラの価格が安くなります。
しかしそういった、
補助金や、消費税などの、その国独自の事情までは、考慮されていない
のが、デメリットになります。
一物一価の法則自体が成り立ちにくい?
一物一価の法則が成り立つためには、
貿易障壁が全くない、完全な自由競争という条件が必要です。
実際には、なかなかこういった環境はありませんよね(^^;
じゃあ購買力平価は使えないの?購買力平価の意義
では、上記のようなデメリットがあるから、
購買力平価は使えないのでしょうか?
実はそうではなく、実際の経済状況に近い分、為替の目安や分析に、よく使われていますし、
長期的には、購買力平価の為替レートに近づいていく、
とも考えられています。
何より、複雑な各国の経済状況を、様々な角度から分析できる、
というところが、大きな役割となっています^^
おわりに
購買力平価(PPP)について、いかがでしたでしょうか?
できるだけ簡単にわかりやすくしたつもりですが、
なかなか難しかったです(^^;
しかし、中国には驚きですね。
一体どこまで行くんでしょうか。
世界ってどんどん動いていて、本当に面白いです^^