日本では長い間インフレが進んでいません。
景気アップにかかせないインフレは世界ではゆるやかに進んでいるのですが、日本はほぼ20年間インフレにならず取り残されている印象です。ニュースではインフレ率2%が目標、という言葉を聞いたりしますよね。
このインフレですが、どのような状況を指すのでしょうか?
今回は、このよく聞く言葉で、なんとなくは知っているけどハッキリしない、インフレの意味を簡単にわかりやすくご紹介していきます。
また、インフレだと何が良くて何が問題になるのかも一緒に見ていきましょう!
インフレとは?意味をわかりやすく!
※インフレーションの略
モノの値段が上がるのはわかりやすいですが、お金の価値が下がるのって少しわかりにくいですよね。
そこで例え話でご説明します。
(会社は高く売りたいのですが売れないと意味がないため、売れやすい値段をつけています。)
110円でもチョコはまだまだ人気でよく売れましたので、会社はさらに値上げして120円にしました。するとチョコの売れ行きは下がってきたので、会社は110円に戻しました。そして、チョコはまた順調に売れるようになりました。
この時、チョコの値段は最初の100円から、10円値上がりした状態で落ち着きました。
チョコという商品の値段は10%上がり、110円になりました。
そして、今までの100円にはチョコ1枚と交換する価値があったのですが、今は110円ないと交換できなくなりました。
物価が上昇し、お金の価値が下がること
インフレ率とは?どのくらいインフレしたかわかる値
インフレ率は、去年よりも何パーセント物の値段が上がったかを、%で表したものになります。
先程のチョコレートを例にすると、100円から110円に10%値上がりしましたので、インフレ率は10%となります。
また、チョコだけではイメージがわきにくいので、もう一つ簡単な例を挙げてみます。
次の年はインフレ率が5パーセントとなりました。これは前の年より、物価全体で5%値上がりしたことを意味します。
この場合、去年は100万円で買えていた食材や服などの値段=出費は、翌年は105万円必要になります。
この例でも、去年までは家族が1年間に必要な商品と交換できた100万円が、同じ商品と交換できなくなりました。100万円には家族を1年間養う価値がなくなったのです。
フウクマ
じゃあ、インフレ率が高いとよくないんだね。
ところが、インフレが起こると良いこともあるんだよ。というか、経済の成長にはインフレが必要なんだ。
パパクマ
次では、インフレの良い点(メリット)を見てみましょう。
インフレの良いところ・メリットは?
インフレの良いところは、お金がぐるぐると世の中を回り(お金の流通量が増える)景気が良くなるところです。
インフレでは次のような流れで、景気が良くなっていきます。
- 商品の値段が上がる
- その商品を売っている会社が儲かる
- その会社で働く人の給料が上がる
- その人は給料が上がったのでお金を今までより多く使う=物やサービスを多く買う
- 物やサービスがよく売れるのでさらに会社は儲かる
- 会社が儲かり、個人の給料も増えるので税収も増えて国も儲かる
- ~1から繰り返し~
簡単に言うとインフレは、上記のように会社も儲かり、会社で働くお父さんやお母さん、お兄さんお姉さんのお給料も上がります。最高ですね^^
また、土地の値段も上がるので不動産を持っている人も儲かりますよ~
さらに、次のようなちょっと変わった良い点もあります。
例えば100万円の借金があり、毎月コツコツと2万円ずつ返済していたとします。その後インフレになり、給料が増えましたので、毎月5万円ずつ返せるようになり、予定より早く返済が終わりました。
これは、インフレで給料は増えたのですが借金は増えないため、実際は借金が減ったのと同じ働きになります。
※ただし固定金利の場合です。変動金利ではインフレで銀行の金利も上がりますので、上記のようにはいきません。
また、日本でインフレが起こると外国からは日本円の価値が下がります。すると円安になり、海外に輸出する会社は儲かりますし、外国からもお得に日本旅行ができるので、旅行者も増えます。
旅行者は日本国内ではお金を使いますので、上記のお金の流れに加わることになり、さらに景気がよくなります(*^^*)
円高と円安!図と例文ででわかりやすく!フウクマ
じゃあ、どんどんインフレが起こった方が良いんだね!
いや、ほどほどなら良いのだけどインフレが進みすぎるのも良くないんだ。
パパクマ
次ではインフレの問題点・デメリットも見てみましょう。
インフレの問題点・デメリットは?
インフレの問題点は、インフレが進みすぎるとお金の価値が下がり過ぎてしまい、物やサービスが高額になりすぎてしまう点です。
また、バブルを引き起こすこともあります。バブルは経済が正常な状態ではなく、一気に不景気に突入する大暴落が起きる可能性があり危険な状態です。
バブル経済~日本のバブルの原因とは!?また、インフレ率が高すぎるとハイパーインフレとなり、バブル以上に景気には悪影響となります。
例えば1枚100円のチョコが1,000円や10,000円になったら世の中は混乱してしまいます。
フウクマ
インフレは緩やかな上昇が大切なんだね。
それでは、そもそもなぜインフレは起こるのでしょうか?
なぜインフレが起こるの?原因は?
それでは、なぜインフレは起こるのでしょうか?
様々な原因がありますが、わかりやすく言うと、インフレは世の中に出回るお金の量が増えるのが原因で起こります。
例えばお金を借りる時の金利が下がった場合です。
個人では車や住宅などの大きな金額の商品を買う時にローンを利用しますが、金利が低いと返済が楽になるので、予定よりも高い金額の車や住宅を購入することができるようになります。
また、会社もお金を借りて事業に投資しやすくなります。新しく工場を建てたり、人を雇って事業を拡大できます。
すると、上記でご紹介したインフレの良い流れが起こりやすくなり、そこから世の中に良いお金の流れが続きやすくなります。
続いては、国が公共投資を行った場合です。
すると、また上記でご紹介したインフレの良い流れが起こりやすくなるわけですね。
他にも、国が減税をすることで国民や会社の手元に残るお金が増えることがインフレの原因になりますし、社会保障(年金など)を増やすことでも、同じように国民にお金が行き渡るため、インフレの原因となります。
原因には需要インフレとコストインフレも
また、さらに2つの原因があります。それは需要インフレとコストインフレです。
やや難しい言葉ですが、これも簡単に言うと次のようになります。
- 需要インフレ
欲しい人(需要)が増えても、商品の生産(供給量)が追い付かないインフレ。高くても買います!という状態ですね。 - コストインフレ
材料やその商品を作るお金が高くなってしまい、今までと同じ値段では売れなくなり、値上げされるインフレ
フウクマ
インフレが起こるには、たくさんの原因があるんだね。
さいごに
インフレとは?簡単にわかりやすく!でした。
IMFの統計によると、日本の2017年のインフレ率は0.47%、2018年は10月時点で1.2%です。1990年は3%もあったのですが、ここ20年では1%を超えた年は2008年だけでマイナスの年も多くあります。
ずっとデフレが続いているわけですね。つまり、給料の上がらない不景気な状態です。
フウクマ
お給料が上がらないのはいやだね・・・
今度、このデフレについてご紹介しますね!
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