尖閣!中国が領有権を主張する根拠は?わかりやすく解説!

尖閣!中国が領有権を主張する根拠タイトル

こんにちは、日本と愉快な仲間たち(JAW)の管理人ヤナイです!

2013年4月に「釣魚島は中国の核心的利益である(`ω´)キリッ

中国政府はキッパリと明言しました。日本の尖閣諸島が、台湾やチベットと同様に中国の領土として絶対に諦めない、という意思を内外に示したことになります。

MEMO
核心的利益とは中国政府にとって「絶対に譲歩できない問題」のこと。

日本からすると非常に迷惑な話ですが、今後日本と中国はこの尖閣問題でやりとりが激しくなります。

フウクマ

尖閣諸島って日本の領土なのよね?

そうだよ。1895年にどこの国にも属していないことと支配されている痕跡がないことを確認した上で、日本領に編入しているよ。

パパクマ

現在は尖閣諸島には誰も住んでいませんが、最も多い時で200人以上の日本人が住んでいました。

そんな尖閣諸島に石油埋蔵の可能性が発見されてから、中国は領有を主張し始めました。

1969年に石油の埋蔵の可能性が発見されたあと、1971年に中国と台湾は尖閣諸島の領有権を初めて主張したよ。

パパクマ

日本としては領土を守るため、超大国となってしまった中国に対抗する必要があるので、とても気の重たい話ではあります。

しかし、そんなこと言っていても解決しませんし、またたく間に中国に占領されていった南シナ海の現状を見ると、しっかりと領土を守る対策を練る必要がありますよね。

その対策の第一歩は、日本国民1人1人がこの問題を詳しく知ることだと思うんです。そして、この問題の理解者が増えると日本政府もどんどん手を打ちやすくなります。

そのためまずは、中国が尖閣の領有権を主張する根拠は何なのか?こちらを見ていきましょう。

他国の領土を自国領だと主張する以上、建前としての大義名分があるはずです。これを把握・理解しておけば、矛盾点が見えるかもしれませんし対策も立てやすくなります。

中国の偉人孫子も、次のような素晴らしいことわざを残しています。
「彼(敵)を知り己を知れば百戦殆うからず」

う~ん、まさにその通り!かの国は、我が国日本のことを徹底的に調べているでしょうね。

尖閣の領有権を主張する中国の根拠

尖閣諸島
Copyright © 尖閣諸島。左から魚釣島、少し離れて北小島、南小島 by BehBeh

中国が、尖閣諸島はウチの領土だ!核心的利益なんだ!と主張する根拠は大きく3つあります。

尖閣の領有権を主張する中国の根拠
  • 主張1:明(みん)の時代の歴史文献の地図に尖閣が登場
  • 主張2:不平等条約である下関条約により尖閣は日本に奪取された
  • 主張3:第二次世界大戦後のサンフランシスコ平和条約を中国は認めない

フウクマ

1つめの明は1368年~1644年に中国大陸にあった王朝ね。

下関条約(しものせきじょうやく)は日清戦争の戦後処理を行った条約です。1895年に調印され、日清講和条約(にっしんこうわじょうやく)とも呼ばれます。

明の次に興った王朝が清だよ。その清との戦争が日清戦争だね。

パパクマ

サンフランシスコ平和条約は、第二次世界大戦後の戦後処理の条約です。1972年まで、尖閣諸島は沖縄と一緒にアメリカの統治領となりました。

主張1:明の時代の歴史文献の地図に尖閣が登場!

1つ目の中国の主張は、明(みん)の時代1561年に作られた籌海図編(ちゅうかいずへん)という文献の中に、沿海山沙図(えんかいさんさず)という地図があるのですが、この地図に尖閣諸島が記載されています。

沿海山沙図は明が※倭寇(わこう)に対する海上の防衛に使っていた地図です。

MEMO
※倭寇:日本人の海賊で、中国や韓国の沿岸地域を襲った。

そのため「尖閣諸島は明の時代から中国の領土なんですよ、防衛していたんだから!」という主張です。

一見、ちょっと気になる内容です。しかし日本政府のこの資料に対する見解は次の通りです。

日本政府の見解
海上防衛のための地図であるならば、周辺の島が記載されていてもおかしくない。

た、確かに(^^;

外務省HPの内容を抜粋して引用しておきますね。

~引用ここから~
同書(籌海図編)では,同諸島が明の海上防衛の範囲に入っていたかどうかは明らかではなく,地図に記載があることをもって尖閣諸島(尖閣諸島)が当時一般に中国領として見なされていたことを示すことにはなりません。

出典:外務省HP:尖閣諸島に関するQ&Aより

※()内は管理人補足
~引用ここまで~

地図に描かれている島を全て防衛していたという内容は読み取れず、そのため尖閣諸島が明の領土であったという証拠にはならない、という見解です。

主張2:不平等条約である下関条約で尖閣は日本に奪われた

下関条約を議論した講和会議の様子
<下関条約を議論した講和会議の様子>

1895年に発効された下関条約※で台湾と澎湖諸島(ほうこしょとう)は日本に割譲され日本の領土になりました。

MEMO
※日清戦争後の講和条約

中国側は「この時に一緒に尖閣諸島も日本にとられたのだ!」と主張しています。これが2つ目の中国の主張です。

これに対する日本政府の見解を見てみます。

日本政府の見解
  • 尖閣諸島は台湾に付随する領土ではないため、下関条約で清から割譲されたものではない。
  • 当然、条約にも尖閣諸島の割譲は記載されていない(澎湖諸島については記載があるのに)。
  • 上記から清国側も尖閣諸島を日本の領土と認めていた証となる。

澎湖諸島は、台湾の西側(中国大陸側)にある島々で、台湾からは約40キロほど離れています。地図で見てみましょう。

フウクマ

澎湖諸島は地図で見ると台湾の左側にあるのね。

尖閣諸島は、台湾の北東側(日本列島側)にある島々で、台湾からは約80キロほど離れています。地図の左下にちょこっと写っているのが台湾です。

フウクマ

地図では尖閣諸島は台湾の右上に位置しているのね。

こういった地理の状況で、日本列島側に位置する尖閣諸島を記載していないということは、清国側から日本に割譲する認識ではない(もともと日本領だから)といえますね。

主張3:サンフランシスコ平和条約自体を中国は認めない

サンフランシスコ平和条約に署名する吉田茂全権大使

<サンフランシスコ平和条約に署名する吉田茂全権大使>

1951年に日本と連合国との間で、サンフランシスコ平和条約と呼ばれる第二次世界大戦の講和条約が結ばれました。
この条約で正式に戦争状態を終結し日本の領土について正式に戦後処理が行われ(法的効力を持ちます)、先ほどご紹介した通りに日本は台湾、澎湖諸島の領有権を放棄しました。

フウクマ

下関条約で日本領になった台湾と澎湖諸島ね!

そしてこの条約の中で、沖縄と一緒に尖閣を含む南西諸島は日本の領土として残った上でアメリカに施政権が移りました

  • 台湾と澎湖諸島は放棄した
  • 沖縄と尖閣諸島を含む南西諸島は日本領だがアメリカの統治下になった

下記の地図の赤い枠の中がそうです。この地図は、アメリカに施政権が移った地域を示しています。

尖閣諸島の地図

外務省HP:日本の領土をめぐる情勢より※リンクは末尾に記載

この条約に調印した時は中国は参加していませんでしたが、その後日本は1952年に当時の中国(中華民国=台湾)と日華平和条約を締結しました。この条約は、サンフランシスコ平和条約をベースにした条約ですので、中国も認めていることになります。

MEMO
当時は中国といえば中華民国(台湾)の国民党政府が、正式な中国の政府とされていました

フウクマ

当時は台湾が中国だったのね!

そのため中国共産党は「このサンフランシスコ平和条約自体が無効だ!」と主張しています。国民党との条約など認めない、という理屈です。

フウクマ

そんなこと言われても困るわね。。。

国と国との条約を、別の政党だったから無効だ、なんて通用しないよね。

パパクマ

その後の1972年の沖縄返還により、尖閣諸島は日本に返還されました。その時に施政権の返還区域として、尖閣諸島は緯度と経度で明示的に記載されています。

中国としては「勝手に中国の領土である尖閣の施政権をアメリカに渡したり日本に返還したりとかおかしい!」という主張をしています。

この中国の主張に対する日本政府の見解を見てみましょう。

~引用ここから~
サンフランシスコ平和条約締結に際し,尖閣諸島は日本の領土として残されましたが,主要連合国である米,英,仏,中国(中華民国及び中華人民共和国)のいずれも異議を唱えていません。

(中略)

台湾及び澎湖諸島等に対する全ての権利等を放棄したことが承認されていますが,同条約の交渉過程では,日本領として残された尖閣諸島については一切議論されていません。このことは,尖閣諸島が従来から日本の領土であることが当然の前提とされていたことを意味します。

外務省HP:日本の領土をめぐる情勢より※リンクは末尾に記載
~引用ここまで~

ふむふむ。

つまりまとめると、日本政府の見解は下記の通りです。

日本政府の見解
  • 主要連合国は尖閣諸島が日本領として残ることについてどの国も文句を言わなかった
  • 台湾と澎湖諸島に対する権利を放棄したが、尖閣諸島については一切議論されなかった。これは尖閣が日本領であることが当然とされていたからである

日本は今後どうすれば良い?

日本は今後どうすれば良いのでしょう?
日本は国際法と国内法にのっとり、たんたんと冷静に対応していくのみですね。領海侵犯があれば追い払い、その都度テレビやYoutubeなどでその事実を公表します。

今もとてもわかりやすい動画をYoutubeにアップされています。

さらに踏み込んで、SNSなどのネットメディアにも力を入れ、世界に日本の主張を証拠付きでわかりやすく発信していくと良いと思います。

現在は国際世論がとても重要な時代で、超大国アメリカもそういった声を無視できなくなっています。

国際世論を無視できない例
  1. アメリカ・ブッシュ(子)大統領(当時)はイラク戦争開戦時に反戦の声を無視してイラクを攻撃した。その後アメリカの威信は大きく失墜した。
  2. アメリカ・オバマ大統領(当時)はシリア内戦に軍事介入を決定し明言したものの、反対する人々の声の大きさに軍事介入を中止した。

例1と例2の出来事で、時代は変わった(良い方向に)とハッキリ確信しました(#^.^#)

しかし、中国の猛攻に尖閣諸島が奪われるのも時間の問題というニュースが最近多くなりました。

そこで尖閣の有効支配の体制を強化するため、自民党の国防議員連盟で議論が始まりました。早く有効な案がまとまり実行に移して頂きたいと思います。

さいごに

中国が尖閣の領有権を主張する根拠でした!

しかし、調べていて思ったのですが人間の歴史ってこういうことの繰り返し、という一面がありませんか?

社会の授業で習った歴史では、日本も世界も戦争や闘争ばかりです。もういい加減21世紀なんだし、平和な未来になったって良いと思うのです(^^;

日中協力して経済を発展させる方が、双方に何百倍もメリットがあると思うんですよねえ・・・

出典:日経新聞HP:中国、尖閣は「核心的利益」と初めて明言

出典:外務省HP:日本の領土をめぐる情勢より

※タイトル画像も外務省より取得した画像を加工して掲載しています。

出典:琉球新報HP:尖閣諸島の体制強化、提言まとめる考え 自民議連が議論

13 COMMENTS

アキ

いつも楽しく拝見させて頂いてます!
最近になり歴史を知ることの大切さがやっと分かってきましたので、コツコツと勉強している最中です!
こちらでも引続き勉強させて頂きますので、よろしくお願い致します(^^)

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ヤナイ

アキさま

コメントありがとうございます^^

歴史って知っていくと、けっこう面白いですよね。

「へ~そうだったんだ!」

と思ってもらえるようなブログを目指して頑張ります!

こちらこそ、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

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K

私は中学三年の厨房です(´・ω・`)
しかし、さいきん集団的自衛権だの、政治に関わることが多くてすごくわからなくて困っていました、そして、このサイトを見つけていろいろ拝見させていただきました!とても為になりますね!これからもぜひ宜しくお願いします!(*`・ω・)ゞ

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ヤナイ

Kさま、はじめまして!

中3なのに偉いですね!
嬉しいお言葉、ありがとうございます!

将来が楽しみです^^

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匿名

インターネットで中国側の主張と検索しても日本側の主張しか出て来ないのが、中国人とのほんきの論の時に意味が無いんですよね…

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匿名

インターネットで中国側の主張をみたこと有りますが、インターネットで中国側の主張と検索して出てくるモノは日本側の主張なのでそれに応えても日本語を書ける明らかな真面目な中国人との論では意味が無いんですよね…

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ヤナイ

そうですね。お互いの主張を客観的に知るのは大切ですよね。コメントありがとうございます。

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匿名

以前、私が見たYahooのコメントで中国人の論じて居た内容や、根拠を並べて日本の学生はどう思ってるのかと言って居た北京大のモノとは違いますが今回の話の中国側の主張の話に合って居るのでリンクを張って置きます。

ちなみに上記のサイトへの主張になる?日本の個人のサイトも張って置きます

(管理人追記:リンクは昨今慎重にする必要があるため、削除致しました)

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ヤナイ

こんにちは!リンクありがとうございます。読んでみました。
こういった、客観的に日本の領有を裏付ける記事が、もっと増えていくと良いですよね♪

リンクは申し訳ありませんが、削除致しました。
最近はgoogleによる、リンク関連のペナルティが多いようで・・・

返信する
j

日本政府も、もっと返還を求める必要があると思います。日本政府もですが日本国民も、もっと領土問題を理解する必要があると思います。

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豊臣秀吉

現在の、憲法9条では、いずれ沖縄、尖閣は、中国にとられると思います。第2次世界大戦後、中国は、戦勝国として、沖縄を要求しました。だが、アメリカの軍事力が、強く諦めました。しかし、いずれ中国の軍事力がアメリカに並びます。そうすれば中国は、沖縄に攻撃します。そうすれば、沖縄は、太平洋戦争でアメリカの攻撃で、大きな被害が出たように、中国が、攻撃すれば、同じように被害が出るでしょう。護憲派の人は、それがわからないのかなと思います。早く、憲法を改正して、攻撃力をを持つべきだと思います。戦国時代、戦で城に籠城して勝った国は、ありません。籠城すると、国が戦場になるからです。日本も、攻撃力を持たないと、日本が戦場になり、大きな被害が出るでしょう。

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ヤナイ

豊臣秀吉さま、こんにちは。

実際の歴史を良い例えですよね。
そうなんですよね。十分あり得る内容だと思います!

強い国には誰もケンカは売りませんが、弱い国はボコボコにやられます。
絶対ではないですが、その可能性は高いのが現在の国際情勢です。だからどの国もその国に出来る限りの軍事力を保持しています。

護憲で国が守れるならOKですが、守れないなら本末転倒です。
そこを考えずに、「日本が戦争できる国になってしまう!」と思考停止してしまう。
こういう人が一定数いるのが非常に残念です。
(ちなみに私も戦争は絶対にイヤです。戦争を避けるための、強力な軍事力は保持すべきと言うスタンスです。)

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